話を聞かない
建売住宅ではなく、設計者に注文して家を建てるのですから、自分が思い描く家を建ててもらいたいというのが当然というものです。
しかし、設計者のなかには、建主の要望などまるっきり開かず、ハウスメーカーの営業よろしく、設計者自身が立てたプランを強引に押し付ける人もいます。
これがきちんとした理由やコンセプトがあってのことならまだよいのですが、建主の要望を調整するのが面倒だからと、いい加減に対応している設計者もいるから困りものです。
いわゆる「自分の作品」をつくりたいだけの設計者もいます。
建主との対話がなくとも、敷地を見なくてもプランを提案してくる設計者はこのタイプだと思ってよいでしょう。
こうした設計者にとっては、建築主は自分を主張するためのチャンスをくれただけの人にはかならないのです。
自分の頭のなかにある「つくりたいこと」を表現する機会にしかすぎないのですから、建築主の話を聞くことなどは、無用であるばかりではなく、邪魔で余計なことなのかもしれません。
住まいづくりは、協働作業です。
もう一人の協働作業者である施工者がこの段階で関わることは少ないのですが、協働作業は設計の段階から始まっています。敷地や周りの環境、予算をはじめとする建築主が要望する事柄などの条件を、住まいという建築物に総合的にまとめあげてプロとして提案するのが設計者の職能だと考えます。
そのためには、建築主とよく対話して、条件を検討し、時には建築主の条件が不適切であれば助言もします。
こうした作業を繰り返して、よい住まいづくりのための設計の作業を進めていくのです。
施工段階でも、協働作業は継続します。施工の段階で新たに建主の要望が出てきたときには、これを開いて助言をし、現場への指示が必要なら、施工業者に建主の要望を専門家として適切に指示しなければなりません。
面倒なことだと、まったく伝えようとしない設計者もいますので、注意が必要です。
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