現場に行かない
建築工事では、工事の進行状況や施工状況を確認する「監理者」を置くことが義務付けられています。
監理者には、建築士の資格をもつ設計者などが就くことになるのですが、その実態は、確認申請のときに代願の申請者がついでに名前を書くだけというケースが往々にしてあります。
本来は、木造住宅くらいの規模でも、きちんと監理をするなら、工程に合わせて現場に10回以上は通わなければできないでしょう。
しかし、監理者のなかには、確認申請の費用として20万円程度で契約したなら、「とてもじゃないがそんな頻繁に通えない」という人もいます。
工事費のなかの経費で人件費をまかなわなければならないのですが、確認申請をとるための人件費と経費で、どう安くしても半分はかかるでしょうし、現場監理用に10万円を確保したとしても、事務処理をやって、必要な回数だけ現場に通っていたのでは割に合わないというのは、誰が考えても分かります。
設計事務所で儲けるためには、現場は3回以上行ってはいけない、という設計者もいます。
すなわち、着工前、上棟時、完成時の3回です。確かに、これなら10万円でも何とかなるでしょう
が、まともな監理ができるとは思えません。
そうしたわけで、施工者が現場で設計者を見かけるのはまれで、ひどいときには一皮も設計者の顔を見ないこともあるのです。
施工業者のなかには、たまたま監理者がやってきたときには、ジュースを飲ませたり、現場を案内するなどして、丁重に対応するようにしているところがあるそうです。
なぜかといえば、この手の監理者は、現場で工事の内容についてうるさく指摘をするなどということは、まずないからなのです。
このような状況では、手抜きも横行しがちです。
最近、手抜き建築が表沙汰になって法律が変わり、監理もきちんとしないといけないようになりました。
しかしながら、それはあくまで建前で、設計者も生活がありますから、社会的に監理に必要な費用を認められなければ状況は変わらないと思います。とはいうものの、費用以前に、監理者の資質自体が問題ですね。
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