敷居・鴨居は簡単施工で
床・壁・天井などの下地以外で、出来上がったときに人の目に触れる木材のことを化粧の木材、または「造作材」といいます。
造作材のうち、敷居や鴨居、長押などのように、和室などで柱の間に入れる木材を「内法材」ということもあります。
敷居は、引き戸などの建具を開閉させるために部屋の境目の床の部分に入れる平たい造作材です。
建具を滑らせるための溝が加工されています。その敷居の上で、対になって建具を滑らせる溝の付いた平たい造作材が鴨居です。
造作材はどれも、変形したり動いたりすると仕上げ材との問に隙間が空いたりするので、きちんと固定しなければなりません。
特に、敷居と鴨居は建具を円滑に動かすために、いつまでも精度よく納まっていなければ困ります。
たとえば、敷居がもち上がってしまうと、建具との適正な隙間がなくなって建具がうまく動かなくなってしまいますし、逆に下がれば、ひどいときには建具が外れてしまうこともあります。
また、敷居が上下すれば柱と敷居の角度が変わるので、建具を閉めたときに建付けが悪くなって、隙間ができてしまいます。鴨居の変形も同様です。
ていねいな仕事では、敷居も鴨居も柱に取り付けるときに、目違い(「めち」ともいいます)という小さな突起を木を加工してつくり出すか、別の木を利用して同様の形にし、柱に彫り込んで動かないようにして取り付けます。
こうすると、見かけは単純に柱に付いているように見えますが、見えないところではしっかり目違いが柱に入り込んで固定されているのです。
さらに多少木が縮んでも隙間が出にくいように、柱をなるべく開いておいて、造作材が突っ張るようにきつく入れてあります。
上等な造作工事はこのように、見かけは単純でも、見えないところで造作材が後で変形しないよう、きちんと加工されて取り付けられているのです。
鴨居の取付けでも、後で壁の重みで鴨居が垂れてくると困るので、木の癖を読んで上向きに曲がるように使いますし、多少垂れてきても建具の開閉に支障がないように、あらかじめ凸状に少し湾曲させて取り付けておくのが、大工の常識とされています。
最近は、こうした加工や取付けができない大工さんがたくさんいます。
手間賃が安い仕事では、造作材の仕上がったときの見かけの単純さだけ同じになるようにして、省力施工をするのです。
敷居や鴨居は、見かけどおりスパッと切って柱の問に入れ込み、見えないところで釘かビスで留めるだけですませてしまいます。柱に彫り込んで入れるなどということはやりません。
柱の問を開かせるジャッキがあるので、突っ張り加減に入れておくのがせいぜいです。
集成材の内法材では、木の癖などは関係ありませんから、溝が加工されているとおりに取り付けるだけです。
また、本来なら、造作材は切り口もきれいなように極めの細かい鋸で挽くとよいのですが、仕事がはかどるからといって、電動鋸で切り口も粗くスパッと切ってしまいます。
窓枠やドア枠なども、見かけは端部を45度ずつに切った枠が直角に付いているように見えるのですが(こうした接合方法を「留め」といいます)、なかのほうではこれがずれないように枠を組むような加工をするのが本来のやり方です。
しかし、最近の電動鋸は角度を合わせると正確に45度に切れることもあり、いい加減な施工業者は、これも複雑な加工をせずにスパッと切ってビスで留めるだけにしてしまいます。
一見するとぴたっと合わさっているようですが、地震などの大きな力がかかったり、時間の経過とともにズレてしまうことがあるので注意が必要です。
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