手が抜ける雨仕舞
屋根には、材料別で「瓦葺き」「スレート葺き」「金属板葺き」などの種類があります。
金属屋根を取り付ける「板金工事」では、雨が漏らないようにすること(「両仕舞」といいます)が重要です。
しかし、最近の不況で、建築の工事費全体が下がってきており、板金工事にも費用をかけられなくなっていることから、悪い施工業者は安い金額なりの施工法、すなわち手抜き工事をして、雨仕舞の悪い家を平気で建ててしまいます。
屋根が壁にぶつかる部分や、屋根の流れと平行な壁の部分は、きちんとした仕事では別の材を加工して被せるのですが、手抜き業者はそれを省略して施工します。
万一水が入ったときでも水が壁のなかに回り込まないように「アダ折り」という折り返しを付けるのが常識なのですが、これも省略して、「シーリング材」という、接着力があり伸縮性のある合成樹脂で隙間をただふさぐだけですませてしまいます。
庇なども、端を釘が見えないようにきれいに納めるには、「通し吊り子」という板金を加工した下地を付けないとできません。
しかし、材料費も施工手間もかかるので、両面テープなどを使って、釘が見えないようにふさぐだけにしてしまいます。
また、建築で使う金属板には、銅、鉄、ステンレス、アルミなど、いろいろな種類があります。
金額的にも安いので最も多く使われているのが鉄板です。鉄板といっても昔のトタン板やブリキ板とは違い、今の鉄板は錆びにくいような工夫がされています。
ちなみにトタンは鉄板に亜鉛、ブリキは錫をめっきしたものです。
現在では、トタンに丈夫な塗料を焼付け塗装してあるものや、鉄板に亜鉛とアルミの合金をめっきして耐久性を高めた材料もあります。
後者は「ガルバリウム鋼板」と呼ばれるもので、性能がよい割に値段が安いのでお勧めです。
素材は鉄板ですが、めっきのおかげでかつての鉄板に比べて飛躍的に耐久性がよくなっています。おおまかにいえば、値段は2割増し、性能は倍以上といったところでしょうか。
銅、ステンレス、アルミなどは非常にもちがよいといわれています。ただ、銅の表面に出て酸化を止める緑青が昨今の空気汚染のせいできれいに出ないで黒ずんでしまうことがあります。
また、アルミも汚染空気には弱いといわれていますし、ステンレスでも腐食して穴が空いてしまったなどという話も開きます。
今日では絶対に傷まない材料はないのかもしれません。
しかし、だからといって、手抜きをしてよいということにはなりません。安い値段で家自体のつくりも悪くてどうせ長くはもたないのだからと、手を抜く施工業者が後を断ちません。
ひどい場合には、指定された厚さの材料よりも薄い材料で施工してしまう業者もいますので、注意が必要です
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