鉄筋は細く粗く
鉄筋コンクリートは、割れない植木鉢をつくるためにフランスの植木職人が発明したものです。
コンクリートは押しっぶされる力にはめっぽう強い反面、引っ張られる力には弱いという性質をもっています。
一方、鉄筋は細いものですから、押されるとすぐに曲がってしまいますが、引っ張られる力にはとても強いのです。
この両方のよいところを利用して丈夫な構造体をつくることができるのが鉄筋コンクリートというわけです。
しかも、幸いなことに、鉄筋とコンクリートでは温度によって伸び縮みする割合がほとんど同じということもあって、コンクリートに鉄筋が入っていてもバラバラになることなく一体化しています。
また、コンクリートは強度のあるうちは強アルカリ性であるため、鉄筋を錆びさせることがないという利点もあります。
コンクリートと鉄筋というのは、実に絶妙な組合せなのです。
住宅に使われる鉄筋は、以前はツルツルの丸い鉄の棒が多かったのですが、最近ではコンクリートとよく一体化するように、表面がでこぼこした「異形鉄筋」というものが普通に使われるようになりました。
それぞれ太さに応じて「D-10」や「D-13」というように呼び表します。
「D」という記号は異形鉄筋を指し、数字は太さをmmで衣しています。
同じ太さでも鉄筋の鋼の材質で強さにも種類があり、住宅などでは.般的に、1nlnl角で30kgほどの引っ張る力に耐え得るような鉄筋が使われています。
見積り書の鉄筋に関する項目は、材料費と加工の手間賃で構成されます。
住宅ではビルほど鉄筋を大量に使わないので、材料費が鉄筋の重さ1kg当たり80円前後。
加工費も、使う鉄筋の重さ当たりで計算することになっていて、1kg当たり用円前後です。
すなわち、鉄筋を施るのには1kg当たり即日程度の費用がかかるわけです。
鉄筋コンクリートでは、基本的に鉄筋の票多いと丈夫になりますが、鉄筋の坤⊥手間がかかるので、使った鉄筋の重さに比例して手間賃が増えます。
最近では、工場で組み立てずみの「ユニット鉄筋」というものもあるので、加工費を減らすには有効です。
また、鉄筋には決まった長さがあるので現場でつなぐことになるわけですが、住宅で使われる細い鉄筋では、太さと場所によって必要な長さを語ることでコンクリートのなかでつながったと考えます。
ユニット鉄筋でも基礎が曲がった部分や交差するところなどでは鉄筋どうしをつなぐ必要があります。
しかし、鉄筋をつなぐ作業は現場で行わなければならず、手抜き業者は手間がかかるからといってこの作業を省略してしまいます。
さらに、基礎に大きな切欠きなどがある場合は、「補強筋」といって切り欠いた分を補うだけの強さを出すために、余計に鉄筋を入れることが必要です。
この作業も、手抜き業者は面倒くさがって省略してしまいがちです。
コンクリートを流し込むとき、鉄筋がコンクリートの表面に近いと早く錆びたり、計算された強度も出ません。
そのため、型枠から適度な距離をもたせ、鉄筋を正しい位置に保つために、小さなブロックや、リングなどの形をした「スペーサー」というものを使います。
手抜き業者はこれも面倒くさがって、最小限で格好だけ入れるか、ひどいときにはまったく入れないこともあります。
ベタ基礎の場合、下の盤の鉄筋は、特に地盤が軟らかいときは注意が必要ですが、計算によって鉄筋の量を算定する必要があり、それによって使う鉄筋の径と間隔が決まります
しかし、きちんと計算されていないことも多く、鉄筋の間隔がスカスカになってしまっているものや、ひどいときには間隔の指示がない場合もあります。
こうした場合、手抜き業者は余計な手間はかけたくないので、「ないよりはまし」という程度に鉄筋を入れておくだけに留めてしまいます
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