塗装は一発仕上げ
塗装、いわゆるペンキ塗りは、材料の表面を風雨や紫外線、汚れから保護し、色彩豊かに仕上げるための」工事です。
塗り付ける面(これも下地といいます)が荒れていたり汚れていたりすると塗料の乗りが悪いため、事前に紙やすりをかけて凹凸を直したり、仕上げ塗料の染み込みを均質にする「シーラー」という下処理用の塗り材を塗ったりします。
しかし、手抜き業者は、手間を省くためにこの下処理を省略してしまいます。塗料によっては、塗った当初はその差が分かりにくいため、ごまかしてしまうのです。
また、ペンキは塗り重ねることでムラを少なくし、丈夫な膜がつくられるようにします。より多く材料に染み込ませることも必要とされますので、図面にも「2回塗り」「3回塗り」などと指示されています。
これは、刷毛で1回塗った後にそれが乾いてから塗り重ねるという意味です。
手抜き業者は、手間暇がかかることを嫌がります。したがって、この作業も省いてしまい、濃いネタ(塗料材料のことを現場ではこのように呼びます)を塗って一発で終わらせてしまいます。
最近は、外廻りに木を見せた住宅も多くなって、カラフルな防腐塗料を塗るようになってきました。
塗料は、ある現場で使った色がほかの現場で使われることは少ないものです。
外部に塗って余ったネタを、室内のドアやドア枠など木の見えるところにも同じ塗料で色付けしてしまうことがあります。
本来は、別の種類の塗料を使うべきなのですが、色が同じであれば、外部に使って余った防腐塗料を使い切るまで塗ってしまうのです。
防腐塗料のなかには、劇薬に近い防腐効果をもつものがあります。塗った当初は鼻を突くようなきつい臭いも伴います。
しかし、乾いてしまえば臭いは徐々に抜けていくから大丈夫と、手抜き業者は安易に考えているのです。もちろん、これは臭いだけの問題ではなく、住まい手の健康上からいってもよいはずがありません。
また、外部の木の塗装は、隈をつくらずに染み込んで、木の呼吸を妨げないほうが腐りにくくてよいと一般にいわれています。
最近では、膜をつくらずに防腐効果を高めた安全性の高い塗料もありますが、少し値が張ります。コストを下げるためには、水がかかったり雨ざらしになったりしない場所で使うなど、木を注意深く使い、塗装をしないという方法をとるのもよいでしょう。
ある現場でウッドデッキをつくり、そこに塗装する際にそうした塗料を使わず、膜をつくるタイプの安い塗料を塗ったら半年もしないうちに腐ってしまった、という話を開いたことがあります。
木が濡れて、染み込んだ雨水が表面の隈のためにすぐには抜けきれず、蒸れた状態が続いたことが原因のようです。
デッキ材に使っていた材料も、安くて腐りやすいベイツガであったうえに、防腐加工もしていないものだったようです。
予算がないからといって、いい加減なことをすると、取返しのつかないことになってしまいます。
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