推奨工法「サイディング直張り」
外壁は、工期を短縮できて、施工会社の経費が少なくてすみ、クレームも少ないことから、水を使う左官工事の湿式工法に対して、水を用いない乾式工法が主流になってきました。
板張りも乾式工法ですが、コストや防火の観点から、燃えにくい金属板やセメントなどを板状にした「サイディング」を張って仕上げにすることが多くなってきています。
このサイディングは、製品のグレードによって値段の差が大きいため、施工業者にとってはうまみのある部分です。
木造の建物は、細かく見れば、いつも少し動いている状態なので、モルタルのような堅い材料を継目なしに施工すると、長い間に割れ目が入ることがあります。
それに対してサイディングは、元々ある大きさのものを張り上げるので、その継ぎ目に若干の動きに追従できるゆとりがあります。そのため、ひびの問題が生じないのです。
サイディングの継ぎ目には、小さな重ねがあり、シーリング材が付いています。
シーリング材の寿命は5年からせいぜい10年ぐらいですから、当座はよくても寿命が来たら雨が漏ることも考えられます。
何かの部分に支障が起きてもカバーする機能を考えておくことを一般に「フェイルセーフ」といいますが、建築でも重要な部分にはこうした考え方の下に施工を行います。
代表的なものでは、屋根瓦などの下に敷く防水シートが挙げられます。屋根材の防水が完璧ならばこのシートは必要ないはずですが、万が一に備えて施工するのです。
外壁も同様で、屋根ほど過酷な環境ではないにしても、現在の軒の出の少ない建物では雨が直接壁にかかることは大いにあり得ます。
壁から漏水すると、なかの木の骨組みの傷みにつながるので注意しなければなりません。したがって、壁仕上げの下にも防水の配慮をしたほうがよいのです。
壁には、水と風を遮り室内側の水蒸気は通すという、便利な「防風透湿シート」を施工するのがよいでしょう。
最近は、外壁の内側の湿気を排出するために、縦に空気が抜けるように18mから24mmくらいの厚みの「桟木」を打って空気層を設けることが増えています。
また、外張り断熱では、ある程度の防水性を備えた断熱材を用いたときは防風透湿シートはなくてもよいといわれていますが、それでも後で外壁の防水性が落ちると桟木が傷むことも考えられるので、防風透湿シートの施工は行ったほうがよいでしょう。
桟木を打つための大工手間は、ていねいな施工ならば10万円以上はかかりますが、手抜き業者は、その桟木を省略し、そればかりか、防風透湿シートも省いて直接サイディングを張り付けてしまいます。
これで少なく見積もっても20万円は浮かせることになるのです。後のことを考えると恐ろしいことです。
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