接合部は組んであれば大丈夫
最近ではツーバイフォー工法などの外来の工法もありますが、木造の住まいといえば、角材の柱や梁を組み立てた「軸組工法」または「在来工法」といわれるつくり方が大半です。
日本ではこのつくり方には長い歴史があり、木の性質を読んで、木材の特性を生かした亡夫が重ねられ、いくつかの組み方があります。
市販の木材は4mなどの決まった長さなので、長い木材が必要なときは、材料をつなぎます。
この長さを増やすための加工を「継手」といい、「蟻継ぎ」「鎌継ぎ」「迫掛け大栓継ぎ」などの種類があります。
木を継いだときの丈夫さは、後のものほど強いのですが、加工も複雑になるために手間はよけいにかかります。
また、木材を直角などに組み合わせるための加工を「仕口」といいます。使う場所などによって、いくつかの種類があります。
垂直と水平な木材を組むには「ホゾ」という細い木をつくり出して差し込みます。
これも仕様によっていくつかの形状があり、性能もそれぞれ異なりますが、基本的な原理は同じです。
水平どうしの木材を組むときには、「蟻掛け」や「渡り腺」などの仕口があります。
蟻掛けは、材の加工が比較的容易で、材の上の面を同一に加工できるために、つくり手にとっても効率がよいので、最も多く用いられている組み方です。
ただし欠点もあり、仕口のための切欠きが大きくなるので、材をあらかじめ太めにしておくなどの配慮が必要です。
また、材を引き離す力に対しての抵抗力が小さいため、基盤に支えられている土台などではよいのですが、2階の床組(床の骨組み)などでは、仕口が引っ張られたときに外れないように「羽子板金物」などで緊結するのが必須です。
渡り聡は、底本的には材の上の面を揃えずに、木を組み上げるので、引っ張りに強く金物による補強は必要ありません。
この仕口は、木材どうしの切欠きも少なくてよいのですが、憤れないと加工に手間取ってしまうために、今様の機械加工に慣れてしまった大工さんには一般的ではないかもしれません。
今では、コンピュータ制御による機械加工が多数を占めています。
「プレカット」といわれるもので、骨組みを組み立てられる状態になるまで材木を工場で加上します。
プレカットでは、間取りと高さの情報をコンピュータに入力すると、機械が入力したデータに連動して木材を加工するようになっています。
データの入力に半日くらいの時間がかかりますが、注文を受けてから遅くとも2週間以内には骨組みが届けられることから、工期短縮の面でメリットがあります。
加工費も坪当たり1万円以下で、大工さんが加工するよりもずっと安価であるため、ローコスト住宅の現場では急速に普及してきています。
プレカットによる継手や仕口の加工形状は、先に述べた方法と同様ですが、加工機械の刃物の都合などで少し形状が異なります。
ホゾや継目などが短めにつくられていることが多く、引っ張られる力に弱いのが難点です。
また、若干丸みを帯びているために、組み合わせたときに回転してしまうこともあります。
そのため、金物による緊結が必須となります。
一方、大工さんが継手や仕口を加工するのを「手刻み」といいますが、すべて手で材木を加工するわけではありません。
現代のことですから、当然効率よく加工するために電動工具や機械を活用しています。
優秀な大工さんであれば、加工しながら、材料1本ずつの個性を読みとって、丈夫な骨組みを組むために心を砕いてくれます。
住宅金融公庫などの公的な融資を受ける建物では、手刻みとプレカット両方の加工も認められていますが、ヘタな大工が手刻みで加工するのであれば、プレカットを選択したほうがよいかもしれません。
以前、通りがかりの現場で、仕口の加工が大入れだけで、羽子板金物で国定していた床組を見ました。
ちょうど大工さんの声が聞こえてきて「このほうが、欠取りが少なくて材料を傷めないからいいんだ」といっていました。
いろんな言い訳があるものだと苦笑しましたが、あれでは建物に力がかかって少し変形しただけで仕口が外れてしまうでしょう。
こんなことならプレカットのほうがましだと感じた所以です。
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