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床はフローリングに限る
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敷居・鴨居は簡単施工で
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金物はとにかく付ける
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軟らかいコンクリートを打とう
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防腐土台はネコいらず
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左官仕上げは時間をかけずに
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クロスで儲けよう
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捨てコンは省こう
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長押の新施工法
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手が抜ける雨仕舞
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排水は見えないところも気を遣う
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緩い継手・仕口は施工がラクチン
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型枠はすぐ次の現場に
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鉄筋は細く粗く
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電気工事は最短コースをとろう
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アンカーボルトは刺さっていれば十分
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廻り緑について
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間柱のラクラク施工法
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床鳴りは生活のメロディ
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親切な外部配管
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塗装は一発仕上げ
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浄化槽の仕事
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下地は少ないほうがよい
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推奨工法「サイディング直張り」
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飽不要の造作材
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接合部は組んであれば大丈夫
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砂利は撒くだけでよい
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手垢の付かない和室の天井
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配線の穴開けは適当に
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根切りはできるだけ浅く
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ジュラクの沙汰も金次第
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壁はつっかえ棒が入れば強くなる
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幅木は必ず後付けで
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シーリング材ですべての隙間を埋め尽くせ
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ローコスト住宅に潜む危険性
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基礎のいろいろ
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コンセントは自由自在
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屋根の下地にコンパネを
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少しの傷はつきもの
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手間とお金を考えた、捨張りのケチり方
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断熱材は入れるだけ
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水盛り遣り方は適当に
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見えないところに金をかけるな
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見えない土台は何でもあり
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床はフローリングに限る
床の仕上げ材はフローリングとしておくと、施工業者にとってはおいしいといいます。
フローリングといっても、ムク材から、薄くそいだシート状の木を表面に貼った合板と変わらないものまで、多様な種類があり、厚さの違いもさまざまです。
価格も2万円を超えるものから3千円程度で手に入るものまであり、価格幅が大きいのは、施工業者としてはごまかしが利いてよいというわけです。
見積りの段階ではカタログの写真程度の確認ですませますから、色味が似ていれば実際のものとの違いは分かりにくく、まして仕上がってしまえば、素人目にはムク材か合板フローリングかも分かりづらいものです。
実物のカットサンプルを見せることもありますが、「これで見積もらせてもらいました」といえば話はすんでしまいます。
あるお宅では、引渡し後2年足らずで便所の給水管から漏水して下地が腐ってしまったために、フローリングを張り替えなければならなくなり、はがしてみたら、話と違ってフローリングがムクではなく合板+突き板タイプの安物で、しかもフローリングどうしを噛み合わせる実加工もしていないものであることが分かった、という話を開いたことがあります。
カテゴリー:手抜き工事の手口
敷居・鴨居は簡単施工で
床・壁・天井などの下地以外で、出来上がったときに人の目に触れる木材のことを化粧の木材、または「造作材」といいます。
造作材のうち、敷居や鴨居、長押などのように、和室などで柱の間に入れる木材を「内法材」ということもあります。
敷居は、引き戸などの建具を開閉させるために部屋の境目の床の部分に入れる平たい造作材です。
建具を滑らせるための溝が加工されています。その敷居の上で、対になって建具を滑らせる溝の付いた平たい造作材が鴨居です。
造作材はどれも、変形したり動いたりすると仕上げ材との問に隙間が空いたりするので、きちんと固定しなければなりません。
特に、敷居と鴨居は建具を円滑に動かすために、いつまでも精度よく納まっていなければ困ります。
たとえば、敷居がもち上がってしまうと、建具との適正な隙間がなくなって建具がうまく動かなくなってしまいますし、逆に下がれば、ひどいときには建具が外れてしまうこともあります。
また、敷居が上下すれば柱と敷居の角度が変わるので、建具を閉めたときに建付けが悪くなって、隙間ができてしまいます。鴨居の変形も同様です。
ていねいな仕事では、敷居も鴨居も柱に取り付けるときに、目違い(「めち」ともいいます)という小さな突起を木を加工してつくり出すか、別の木を利用して同様の形にし、柱に彫り込んで動かないようにして取り付けます。
こうすると、見かけは単純に柱に付いているように見えますが、見えないところではしっかり目違いが柱に入り込んで固定されているのです。
さらに多少木が縮んでも隙間が出にくいように、柱をなるべく開いておいて、造作材が突っ張るようにきつく入れてあります。
上等な造作工事はこのように、見かけは単純でも、見えないところで造作材が後で変形しないよう、きちんと加工されて取り付けられているのです。
鴨居の取付けでも、後で壁の重みで鴨居が垂れてくると困るので、木の癖を読んで上向きに曲がるように使いますし、多少垂れてきても建具の開閉に支障がないように、あらかじめ凸状に少し湾曲させて取り付けておくのが、大工の常識とされています。
最近は、こうした加工や取付けができない大工さんがたくさんいます。
手間賃が安い仕事では、造作材の仕上がったときの見かけの単純さだけ同じになるようにして、省力施工をするのです。
敷居や鴨居は、見かけどおりスパッと切って柱の問に入れ込み、見えないところで釘かビスで留めるだけですませてしまいます。柱に彫り込んで入れるなどということはやりません。
柱の問を開かせるジャッキがあるので、突っ張り加減に入れておくのがせいぜいです。
集成材の内法材では、木の癖などは関係ありませんから、溝が加工されているとおりに取り付けるだけです。
また、本来なら、造作材は切り口もきれいなように極めの細かい鋸で挽くとよいのですが、仕事がはかどるからといって、電動鋸で切り口も粗くスパッと切ってしまいます。
窓枠やドア枠なども、見かけは端部を45度ずつに切った枠が直角に付いているように見えるのですが(こうした接合方法を「留め」といいます)、なかのほうではこれがずれないように枠を組むような加工をするのが本来のやり方です。
しかし、最近の電動鋸は角度を合わせると正確に45度に切れることもあり、いい加減な施工業者は、これも複雑な加工をせずにスパッと切ってビスで留めるだけにしてしまいます。
一見するとぴたっと合わさっているようですが、地震などの大きな力がかかったり、時間の経過とともにズレてしまうことがあるので注意が必要です。
カテゴリー:手抜き工事の手口
金物はとにかく付ける
柱と梁を組み合わせてつくる軸組工法の仕宅では、木と木を組み合わせる部分のほとんどといってよいくらいに金物を打ち付けるようになりました。
使う場所によって金物の形や留付け方が違いますが、基本は材どうしが力を受けたときに離れないようにするために使います。
一般にこれらは「補強金物」といって、本来は精度よく刻んだ木材をきちんと組み合わせたうえで、さらに外れないようにするという補強の意味で用いられるものでした。
金物を使うことが少なかった頃は、組むときに囲く組み合わさることが特に重要でした。
そのため、昔の大工さんは、継手や仕口も使われる場所に応じて(今から思えば手間のかかる)工夫をし、墨付け(加工のために木材に墨で線をひくこと)の細い墨の内側で刻むのか外側で刻むのかなどを気にしながら仕事をしたものです。
現在のようにたくさんの金物を使うようになってしまうと、以前のように気を遣い、手間をかけることも少なくなってしまいました。
後で金物で留めればよいと考えて、刻みも甘く(組むときに緩い状態)してしまいがちです。
継手や仕口も金物で補強するのが前提ならば、蟻継ぎ、鎌継ぎが中心の簡単なのもので用が足りてしまうので、
追掛け大栓継ぎや金輪継ぎなどで工夫し、手間のかかる細工をするなどということもあまりしなくなってしまいました。
ましてや、今やプレカットですから、自分で刻むこともまれなのです。
建前(骨組みを組み立てる作業のこと)が終わって金物を取り付ける段階で継手や仕口がゆるゆるでも、金物を付ければそのときは結構しっかりするものです。
しかし、金物と、金物と比べて軟らかい木との相性は決してよくはありません。
下手をすると木が割れてしまって、せっかく金物を取り付けても効かなくなってしまうこともあります。
さらに金物が錆びたりしたらその効果も期待できません。
しかし、そんなことはおかまいなし。
手抜き業者はとにかく金物を取り付けられるだけ取り付けてしまいます。
そうすれば、とりあえずは丈夫そうに見えるからです。
主要な骨組みは、太い材料を使って組み方をきちんと考えれば、最小限の金物で成立します。
一方、簡略化した組み方のときには補強金物が必要です。
とはいえ、木組みだけで成立するだけの骨組みの建て方を、まだ私たちは確立していません。
大きな力を負担する耐力壁の柱の根元や頭の部分には、大きな力がかかると、現在のところ、木だけでは対処できません。
この場合の金物は、補強ではなくて主要金物といえるでしょう。
決まりだから金物を付けるのではなく、木造の原理まできちんと理解したうえで施工してほしいものです。
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軟らかいコンクリートを打とう
鉄筋を組んで型枠を立てたら、いよいよコンクリートを流し込みます。
以前は、ミキサーを現場にもち込み、ドラムを回転させてコンクリートを混ぜ合わせながら作業を行っていました。
今は電話1本で、聖合いのコンクリートを専門業者が培てくれるようになりました。
コンクリートで重要なことは、その強さ(強度)です。
コンクリートは、セメントと砂・砂利(「骨材」といいます)と水を混ぜたもので、これらの材料の混ぜ具合でコンクリートの強さが決まります。
ただ、その強さも永久的なものではなく、コンクリートが強いアルカリ性のうちはよいのですが、空気に触れるなどして糧化すると強さがなくなってしまいます。
一般的に、この寿命はだいたい60年ほどといわれています。
コンクリートの強度を長い間保つにはコンクリートの糧化を単音ればよいわけで、そのためには、同じ強度でも、水を少なく配合するとよいのです。
水をセメントの重さの半分の量で紀合すると約翠はもっともいわれています。
ちなみに、現実にはありえませんが、水の配合がゼロのコンクリートでは、理論的な寿命は半永久的であるそうです。
しかし、水の量を減らすとコンクリートは硬くなります。
硬く練ったコンクリートはうまく流れ込まず、注意して作業をしないと、コンクリートが型の隅々まで回らずに、なかの鉄筋が見えてしまっていたり、表面がボソボソになって見栄えが悪くなるということもあります。
施工業者にとってみると、コンクリートが硬いと作業がしづらいわけで、嫌がられます。
コンクリートを軟らかくするには、「混和剤」という薬などを用いる方法もありますが、最も手っ取り早いのは、混ぜる水の星を増やすことです。
といっても、単に水を多くすると囲まったときに弱くなってしまいますので、コンクリートの専門業者に、強度が出る範囲で軟らかくなるよう配合してもらわなければなりません。
しかし、手抜き業者は手間賃がかからないようにすることばかり考えています。
設計者が描いた図面でも、強度の指定はあっても、耐久性を高めるための配合にまでは踏み込んで指示していないものが結構あります。
これをよいことに、手抜き業者は仕事で楽するため、なるべく軟らかくしてもらうようにコンクリート業者に頼むのです。
木造の現場でも、依頼すればコンクリートプラントで配合計画書を発行してくれます。
現場に入ったコンクリートの強度などを確認するには、コンクリート車1台ごとに一緒に渡される納入伝票を見れば分かるのですが、見もせずにただ受け取っておくだけです。
コンクリートを流し込む際は、コンクリート用のポンプを積んだ車からコンクリートを太いホースで送り糾すのですが、これも軟らかくないと詰まってしまいます。
ポンプが詰まると、ポンプ車の運転手が水を止してしまうことがあります。これはよいことではありません。
しかし、コンクリートが出てこないのでは埠妄者も作業が進められないので、見て比ぬふりをしてしまうのです。
コンクリートが硬すぎてポンプでは送れない場合は、高車などで運んで流し込むことになります。
流し込む哩の幅は、経済的にすむ最低の崇が多いのですが、なかに1cmの径の鉄筋が縦横に入っていると両側の鉄筋と型の隙間が5cmかありません。
硬いコンクリートをこうした隙間に上手に流し込むのは非常に手間がかかります。
そのため、手抜き業者はこうした寓な什事はやりたがらず、楽に什事が進められるよう、軟らかいコンクリートを使いたがるのです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
防腐土台はネコいらず
「土台がなっていない」と人をくさす言葉があります。
土台は木の骨組みの一番下で、その上の骨組みをすべて支える重要なものです。
これがよくないということは、人にも家にもよくないということです。
土台は、地面に近い場所にあり、湿気の影響などを受けて管やすいため、昔は腐りにくいスギやヒノキ、地方によってはスギやヒバなどが使われていました。
最近では、これらに代わって、薬剤を染み込ませて腐りにくくした「防腐去」という製品を使うことが多くなってきています。
防腐土台は、非常に腐りやすいといわれている外国産のベイツガに、強力な防腐性能の薬剤を木の表面に傷を付けて染み込ませたものです。
緑色などの、ちょっと変わった色をしています。
防腐剤としてよく使われているもので、「CCA」という薬剤があります。クロム、砒素、銅の化合物で、燃えると人が死んでしまうほどの猛毒のガスを発生させます。
さすがにこれは問題ですので、違う薬剤を染み込ませたものも出てきていますが、防腐効果はCCAほど高くはないようです。
また、防腐土台は、土台の表面にいくつもの深い傷を付けたり、圧力をかけたりして、なるべく昔で薬剤が染み込むようにしているのですが、表面からある程度の部分までしか薬剤が浸透していません。
切ったり刻んだりなどの加Lをすると、本来の腐りやすい部分が露出してしまって、切り口にカビが生えたりします。
こうなると、危険が多い材料の割には、その効果も怪しいものに感じられます。
さて、こうした腐りにくい材料を使っていても、土台がコンクリートの上に底に置かれていると、土台の表面が呼吸できないうえに、基礎の湿気を吸い込んだりして、どうしても腐りやすくなってしまいます。
家ができてから、万が一水が壁のなかに浸入するか壁のなかで結露すると、最終的には土台の下に水がたまって、なかなか乾かずに土台を腐らせることもあります。
最近では、基礎と土台の問に隙間を開けて土台の下も乾くようにしたり、この隙間を床下通気孔として利用する方法があります。
基礎を切り欠く通気孔を設けるよりも基礎が丈夫になり、建物の仝周で床卜通気がとれるので、床下を乾燥状態に保ちやすくなります。
基礎と土台の問に隙問をつくるために、厚さ2?3、幅は土台幅、長さは2?30cmくらいの「ネコ土台」というものを使います。
「ネコ」というのは「小さいもの」を意味します。
基礎のコンクリートは一見乾いているように見えてもかなり湿気を含んでいます。
土台を湿気から遠ざける意味でも有効です。
ネコ土台は基礎に戟せるものですから、腐りにくい材質でつくられます。
木ならクリなどの水に強くて腐りにくいもの、ほかには一有やモルタルでつくることもあります。
最近では樹脂製の既製品も出ています。
しかし、手抜き業者はネコ土台を使いたがりません。
木でつくると材料と手問がかかり、既製品でも1軒で100個ほどを使うので材料費が余計にかかってしまうからです。
ではどうするかというと、先に紹介した防腐土台を使うだけですませてしまいます。
防腐土台は腐りにくいうえ、材料費も安くすみます。
土台に使うヒノキの場合、4寸(約12cm)角で4mの1等という節のある等級の材料では、1本7千円前後もします。
それに比べて、防腐土台なら1本4500円程度です。
家の人きさにもよりますが、1軒で去日を票使うとすると、それだけで7万円も浮くことになります。
手抜き業者は儲けが大事なので、安くすむなら、こうした健康に書をもたらす危険性のある材料でも、平気で使ってしまうのです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
左官仕上げは時間をかけずに
最近はサイディング張りの外壁が流行しています。
左官工事は工期がかかるということから、コテでモルタルを塗って、その上に塗料を吹き付けるような仕上げは少なくなりました。
ましてや、土蔵などの白壁に使う漆喰を塗のたりするような住宅は、ほとんどなくなってしまいました。
左官仕事は、材料2、手間8といわれるくらい手間がかかります。手間がかかるということは時間がかかることにもなるのです。
といっても、左官工事はまったくなくなったわけではありません。モルタル塗り+吹付け仕上げの外壁の場合、吹付け下地となるモルタルのひび割れをいかに少なくするのかが重要です。
モルタルを何層かに時間を置いて重ね塗りすることで、ひび割れの予防とします。時間を置くのは、モルタルが固まる段階でひび割れを起こすので、割れを出し切るためです。その割れを埋めるように重ね塗りをするわけです。
仕上げ工事は工期の最終段階になっているため、時間が足りなくなってしまうことが多々あります。
割れを出しきる時間や重ね塗りの工程を満足にとれないまま、モルタルを仕上げて塗料を吹き付けざるを得ないのです。
こうした場合、下地のモルタルが割れても亀裂が見えないよう、弾性リシンなどのような弾力性のある塗料を吹き付けて仕上げることがあります。
ただ、弾力性があるとはいっても限度があります。
こういう現場では予算も限られているので、そこそこのグレードの塗料しか使えません。数年経つと必ず割れが出てくるものです。
しかし、施工業者は早く仕上げないといけません。
飯の食い上げになってしまいますから、よくないとは分かっていても、現場監督に「それでやってくれ」といわれてしまえば構わずやってしまうしかないのです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
クロスで儲けよう
今や壁や天井の仕上げといえば、ビニルクロスが大半です。
シックハウスなどの問題から、最近では人の健康や土に還ることで環境にも優しいなどの付加価値の付いた「エコクロス」などという製品も各メーカーから販売され、かつ低価格になってきました。
とはいっても、ビニルクロスは種類が豊富で価格にも幅があります。
見積り時と施工時では、貼るクロスの種類が変わることがしばしば起こります。工事最後の仕上げ段階で、見本帳を見ながら建主に色を決めてもらうのですが、悪い施工業者は、なるべく見積り時より安い材料を選んでもらうようにするのです。
一般に、ビニルクロス粘りの見積りは材料費と施工手間賃を合わせた金額で出しており、実際の材料代は見えにくい状態になっています。
クロスの種類が変わっても、貼り手間はほとんど変わりません。
サンプル帳もバリエーションが豊富ですから、建主の好みに合わせた対応はいくらでもできます。
材料の単価が安くても、見た目に色合いや柄の善し悪しは気になるほどのことはほとんどありません。
ただし、サンプル帳は柄物が少ないものをセレクトしておき、無地を選んでもらうように建主に話します。継ぎ目の柄合わせは、その分施工に手間がかかってしまうからです。
特に広い部屋では、できるだけ柄物を避けるようにしています。
そしてもちろん、建主が見積りのときの単価より高価なものを選べば、お金を追加してもらうように要求します。
やり手の業者は損をするようなことは絶対にしません。ビニル壁紙は、原料に悪名高い塩化ビニル(塩ビ)が使われています。塩ビが半分以下のものはビニル壁紙といわなくともよいようです。
そのため、先に述べたエコクロスと呼ばれるもののなかにも、塩ビあるいは同様の物質が使われているようで、依然ダイオキシンの心配はあるような気がします。
塩ビは壁紙に軟らかさと強さをもたらします。つくり手には便利ですが、多少の欠点はあっても、健康へのリスクの小さい和紙などの自然素材のほうがお勧めです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
捨てコンは省こう
砂利を撒いて突き囲めた後に、基礎の下になるところに鉄筋などの入っていないコンクリートを3~4cmくらいの厚みで流し込んで平らに均します。
本来、建物に必要とされる構造ではなく、構造の基礎コンクリートを産に施音るためのコンクリートであることから、このコンクリートのことを「捨てコンクリート(捨てコン)」と呼んでいます。
捨てコンの上を平らに均して、ある程度固まった後、この捨てコンの平らな面に、益の農の位置を正確に測って墨で線を引きます。
そして、その墨に従ってずれないようにコンクリートを流し込むための型枠を立てます。
捨てコンは基礎の凄な位置を川すための葦であり、農のコンクリートを流し込むときのFの型にもなるわけです。
基礎コンクリートの下が砕吾ままというのは、流し込んだコンクリートの水分が急激に地面に吸い取られてしまうので、コンクリートがきちんと固まるためには好ましくありません。
下に捨てコンがあると、少し水分が吸われるだけなので、予定した過程でコンクリートは固まります。
コンクリートも土と混ざらず、必要な強度が得られます。
また、鉄筋コンクリートでは、「かぶり厚さ」といって、鉄筋とこれを覆うコンクリート表l軸までの厚みが十分に確保されていることが童です。
かぶり厚さが十分でないと、予定した耐用年数に満たないうちに鉄筋が錆びてしまい、基礎の強度に問題が生じてしまいます。
砕石のままで下が凸凹になっていると、かぶり厚さが不足する部分が出てしまうのですが、捨てコンによって下が平らに均されていることで、必要なかぶり厚さを均等に確保することができるのです。
そのうえ、基礎の側面の型枠を立てるのにも、平らなほうが正確に立てられます。
しかし、こうした作業は何といっても手間がかかります。
捨てコンは、基礎のコンクリートほど強度を必要としませんし、薄く施工するのでコンクリートを使う量もたいしたことはありません。
とはいえ、このコンクリートを流し込むために、施工業者はわざわざコンクリートミキサーを1台手配しなくてはなりません。
使う量が多ければコンクリートを送り出すポンプの付いた車を一緒に呼べばよいのですが、この事に1回来てもらうと、たとえ少しの時間でも数万円を支払わなくてはいけません。
手押しの一輪車などで人手をかけて流し込むほうが安くすむのですが、いずれにしろ平らに均す手間がかかるため、手抜き業者は請負値段が安い割には面倒な作業だと考えています。
簡単にすますには、砂利を撒いたままで捨てコンをせず、基礎の芯となる部分に細い糸を張って、それを基準に型枠を立てれば手間がずっと少なくなります。
正確にまっすぐにはつくれないことも多いのですが、「木造の骨組みを立てるのに支障のないくらいには出来上がるし、費用も安くすむからよいだろう」というのが手抜き業者の言い分です。
カテゴリー:手抜き工事の手口
長押の新施工法
最近はしばしば省略されることもありますが、ちゃんとした和室の内法には「長押」が回されます。
長押というのは、鴨居の上につけた幅10cm前後の板のことをいいます。長押を回すといっても、ムク材の長押を使うということはほとんどなくなっています。
縦縞状の木目(「柾目」といいます)の、スギやヒノキを紙のように薄く削いだもの(「突き板」といいます)を集成材に張ったものが、ムク材に比べて値段も手頃で、木目が揃っていて見た目にもよいことから、今の住宅ではほとんど、こちらのほうが使われています。
造作の工事としては、長押の木口処理の細工に手間がかかります。本来なら、「雛留め」といって、わずかな木口の部分で見付け面を留め、加工で回し込む技法で細工するからです。
しかし、いい加減な業者は、突き板の材料ではこうした細工をしてもしょうがないとして手を抜いてしまいます。
かといって、さすがに切り放しのままでは木口に芯材の集成材が見えてしまいますので、突き板と同じ材の薄板を貼りつけるような簡単施工ですませてしまっています。
こうした細工や細かい納まりをちゃんと知っている建主はいないだろうし、建主もそういったものかという程度の認識しかもち合わせていないから大丈夫だろう、とタカをくくっているわけです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
手が抜ける雨仕舞
屋根には、材料別で「瓦葺き」「スレート葺き」「金属板葺き」などの種類があります。
金属屋根を取り付ける「板金工事」では、雨が漏らないようにすること(「両仕舞」といいます)が重要です。
しかし、最近の不況で、建築の工事費全体が下がってきており、板金工事にも費用をかけられなくなっていることから、悪い施工業者は安い金額なりの施工法、すなわち手抜き工事をして、雨仕舞の悪い家を平気で建ててしまいます。
屋根が壁にぶつかる部分や、屋根の流れと平行な壁の部分は、きちんとした仕事では別の材を加工して被せるのですが、手抜き業者はそれを省略して施工します。
万一水が入ったときでも水が壁のなかに回り込まないように「アダ折り」という折り返しを付けるのが常識なのですが、これも省略して、「シーリング材」という、接着力があり伸縮性のある合成樹脂で隙間をただふさぐだけですませてしまいます。
庇なども、端を釘が見えないようにきれいに納めるには、「通し吊り子」という板金を加工した下地を付けないとできません。
しかし、材料費も施工手間もかかるので、両面テープなどを使って、釘が見えないようにふさぐだけにしてしまいます。
また、建築で使う金属板には、銅、鉄、ステンレス、アルミなど、いろいろな種類があります。
金額的にも安いので最も多く使われているのが鉄板です。鉄板といっても昔のトタン板やブリキ板とは違い、今の鉄板は錆びにくいような工夫がされています。
ちなみにトタンは鉄板に亜鉛、ブリキは錫をめっきしたものです。
現在では、トタンに丈夫な塗料を焼付け塗装してあるものや、鉄板に亜鉛とアルミの合金をめっきして耐久性を高めた材料もあります。
後者は「ガルバリウム鋼板」と呼ばれるもので、性能がよい割に値段が安いのでお勧めです。
素材は鉄板ですが、めっきのおかげでかつての鉄板に比べて飛躍的に耐久性がよくなっています。おおまかにいえば、値段は2割増し、性能は倍以上といったところでしょうか。
銅、ステンレス、アルミなどは非常にもちがよいといわれています。ただ、銅の表面に出て酸化を止める緑青が昨今の空気汚染のせいできれいに出ないで黒ずんでしまうことがあります。
また、アルミも汚染空気には弱いといわれていますし、ステンレスでも腐食して穴が空いてしまったなどという話も開きます。
今日では絶対に傷まない材料はないのかもしれません。
しかし、だからといって、手抜きをしてよいということにはなりません。安い値段で家自体のつくりも悪くてどうせ長くはもたないのだからと、手を抜く施工業者が後を断ちません。
ひどい場合には、指定された厚さの材料よりも薄い材料で施工してしまう業者もいますので、注意が必要です
カテゴリー:手抜き工事の手口
排水は見えないところも気を遣う
住宅の排水管は、ほとんど塩ビ管が使われています。
塩ビ管といえば、燃やすとダイオキシンが発生することでよく知られています。
今のところ安くて同じような性能のものがないので、施工業者によっては、値段の高いポリエチレン管などの指定がない限り、塩ビ管で施工してしまいます。
塩ビ管は、同じ呼び名の太さでも、管の肉厚によって種類があります。
肉厚で丈夫な「VP管」と薄い「VU管」とがあり、室内など取り替えにくい個所では丈夫なVP管を使います。
しかし、値段が高いために、手抜き業者は指定がなければVU管のほうを使ってしまいます。
給水では圧力がかかるので問題になることもありますが、大きな力のかからない排水では十分だし、施工してしまえば、まず分からないだろう、と考えているのです。
屋内の排水では、夏など、周りに湿度の高い暖かい空気があると、排水の温度によっては管の外側に結露といって露がついてしまうことがあります。
木造の骨組みに悪い影響を与える恐れがあるので、結露防止の断熱材を巻くことがあります。
しかし、手抜き業者は通常、指示がなければやることはありません。
特に図面などで指示がないときには施工しませんが、肉厚のVP管が指定されているのに薄肉のVU管を使ったときは、隠すために速やかに防露巻きを行うことがあります。
便所排水の汚水管では、曲がるところに固形物が詰まると大変です。
そのため、「LL」というタイプの大曲りでカーブの緩やかな管を使う指示がされていることがあります。
本当は指示がなくともLLを使うべきなのですが、手抜き業者はDLという曲がりのきついものを使ってしまいます。
そして、これもばれないよう、すぐに防露巻きを施してしまうのです。
2階に便所などがあって、水を流したときの音の問題を考えて、さらに防音用の遮音シートを巻く仕様が指示されている場合があります。
工事の手順が増えるので、ビニルパイプの外に石綿を一体化させた「石綿耐火ビニル二層管」を使うと一度の工事ですむのですが、非常に高価なので、手抜き業者は指定がない限り使いません。
もちろん、手間がかかるので、遮音シートを巻く指示も無視してしまいます。
コンクリートに埋めてしまう配管などでは、見えなくなるからと、VU管よりもっと安い、雨樋用の超薄肉のパイプを使ってしまうことがあります。
これは肉厚が非常に薄く、VU管とは管の内径がまったく合いません。
塩ビ管用の排水金物などの取付けにはきちんと留め付けることは考えずに、シーリング材を塗りたくって固めてしまいます。
後で建物に関心をもって維持管理をマメにやる建主なら別ですが、普通は、家が出来ても排水の手入れなどは、詰まって困ったときまでやらないから、まずばれることはない、というのが手抜き業者の考えです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
緩い継手・仕口は施工がラクチン
「かたい仕事をする」というのは、大工さんへの褒め言葉です。
優秀な大工さんであれば、文字どおり、骨組みをきつく組むように継手・仕口などをつくります。
土台に差すホゾも、普通は長さが6cmくらい、短いところでは3cmくらいでつくりますが、七台の高さと同じ12cmくらいの長さにすることもあります。
また、材の抜け止めとして、ホゾのところには穴が開けてあって、カシやケヤキなどの堅い木でつくった「込み栓」という1.8cmで15cmくらいの長さの「木の釘」のようなものを打ち込んでホゾを留めます。
込み栓を打ち込むごとに材どうしが引き付け合うように組まれていきます。
込み栓のほかにも、板のような「車知栓」や斜めにそいだ形の楔などを用いますが、いずれも木をきちんと組むために重要な働きをしています。
こうして木で組んだところは、きちんとつくれば粘りのある組み方ができ、建物の揺れを少なく抑えられます。
しかし、差し込んで組む部分はすべて細工しなければならず、それらの加工に手間がかかって値段も高くなるため、請負値段が安いときには手を抜いてしまう大工さんがいます。
また、実際に骨組みを手伝う鳶工のなかにも、こうした仕事をあまりやりたがらない人たちもいます。
組む順番もうまく考えなければならないうえ、きつめに継ぎ目をつくってあるので、差し込むときに「かけや」という大きな木の槌で何回も叩かないと入らず、手間がかかるからです。
1日いくらの手間賃で仕事をしているのだから、プレカットの建物のように、あまり叩かなくてもスポッと組めるような建物のほうが時間がかからなくて楽だと考えています。
家の骨観みを建ててから、建物全体の傾きを補正するために、柱の傾きを何カ所かで測って、柱を垂直に建てるためにワイヤーロープなどで引っ張るなどして矯正することを「歪み直し」または「建入れ」といいます。
気を付けて建てていても、家が少し曲がってしまうことがあります。
こうした歪みは3mm以内に抑えることが望ましいのですが、ひどいものでは建物1階分の高さで2cmくらいずれてしまうものもあります。
最近のプレカットの骨組みは、コンピュータ制御で正確に加工ができているということで、建てるときにずれてしまって骨組みが傾いでも、たいして力をかけなくとも直せます。
金物で固める前は、ホゾや継目が短めにつくられていることもあって、骨組みの段階ではふらふらと揺れやすい不安定な状態になっています。
不安定さを抑えるために「仮筋かい」という木をつっかえ棒のようにして釘で留めておくのですが、歪み直しのときは、この仮筋かいの一方の釘を外せば自由に傾きが変えられるので、真っ直ぐになったところでまた釘を留め直すのです。
その後、大工さんが壁のなかに本番の「筋かい」を固定して、建物が変形しにくくなるというわけです。
反対に、プレカットではない、手刻みによる木組みの家の骨組みでは、組んでいくうちに真っ直ぐになるので歪み直しをしなくてもよいことが多いのですが、傾いでいた場合には骨組みが簡単には動かないので、直すには大変な労力がかかります。
そうした点でも、プレカットのような緩めの継手・仕口を好み、がっちりした木組みの家を嫌がる鳶工は多いようです。
余談ですが、歪み直しの際、柱が室内や外で見える骨組み(「真咤」といいます)の建物では木に傷を付けないように、布の紐を併用して引っ張るのですが、柱が見えない「大壁」の建物なら骨組みの木材はどうせ見えないのだからと、金物で引っ張って木材に傷がついても知らんぶりという手荒な施工業者もいるので注意が必要です。
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型枠はすぐ次の現場に
コンクリートを流し込むための型枠は、以前は木製の板でつくられていました。
しかし、2、3回も鋳型にすると使えなくなって高くついてしまうため、今では、住宅の基礎では鉄板製の鋼製型枠を使うのが一般的となってきています。
これであれば何度も使い回すことができるうえ、コンクリートが固まった後もはがしやすく、コンクリートがきれいに打てます。
コンクリートを流し込んだ後は、ある程度の強度が山るまでは「養生」といって、この型枠を決まりに従って、最低でも4、5日は外さずにそのままにしておかなければなりません。
夏の場合は、気温が高く、コンクリートが発熱して急激に乾きやすいため、ある程度固まったらホースで散水するなどして、過度に水分が逃げるようにします。
冬の場合は、固まっている途中でコンクリートが凍るとスポンジのようにスカスカになって強度が出ないため、コンクリートの上にシートなどをかけたり、時には暖房をして、凍らないように養生します。
しかし、手抜き業者は、回転よく、次々と仕事をこなしていきたいので、流し込んだ翌日には、さっさと型枠を外して次の現場にもっていってしまいます。
コンクリートはある程度は囲まっているものの、まだ軟らかいので、型枠を外すときに角が欠けたりすることもあるのですが、後で上を平らにするときにいっしょに直せば問題ないと考えているのです。
とにかくコンクリートを流し込むときは非常に慌ただしいので、型を普たときは這線にしておいたつもりでも、コンクリートの晋や流し込む庄力などで多少票たわんでしまうこともあるのです。
そのため、支保工はしっかりと固定し、できれば細かく入れておいたほうがよいといえます。
手抜き業者は面倒くさがって支保工を細かく入れたがらないうえ、たとえ型枠がたわんでいるのに気付いたとしても、コンクリートの打設作業は忙しいので、直しもしません。
少しくらい曲がっていても、後で土台が載って留められれば刷は足りるのだからよいと、いい加減に考えているからです。
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鉄筋は細く粗く
鉄筋コンクリートは、割れない植木鉢をつくるためにフランスの植木職人が発明したものです。
コンクリートは押しっぶされる力にはめっぽう強い反面、引っ張られる力には弱いという性質をもっています。
一方、鉄筋は細いものですから、押されるとすぐに曲がってしまいますが、引っ張られる力にはとても強いのです。
この両方のよいところを利用して丈夫な構造体をつくることができるのが鉄筋コンクリートというわけです。
しかも、幸いなことに、鉄筋とコンクリートでは温度によって伸び縮みする割合がほとんど同じということもあって、コンクリートに鉄筋が入っていてもバラバラになることなく一体化しています。
また、コンクリートは強度のあるうちは強アルカリ性であるため、鉄筋を錆びさせることがないという利点もあります。
コンクリートと鉄筋というのは、実に絶妙な組合せなのです。
住宅に使われる鉄筋は、以前はツルツルの丸い鉄の棒が多かったのですが、最近ではコンクリートとよく一体化するように、表面がでこぼこした「異形鉄筋」というものが普通に使われるようになりました。
それぞれ太さに応じて「D-10」や「D-13」というように呼び表します。
「D」という記号は異形鉄筋を指し、数字は太さをmmで衣しています。
同じ太さでも鉄筋の鋼の材質で強さにも種類があり、住宅などでは.般的に、1nlnl角で30kgほどの引っ張る力に耐え得るような鉄筋が使われています。
見積り書の鉄筋に関する項目は、材料費と加工の手間賃で構成されます。
住宅ではビルほど鉄筋を大量に使わないので、材料費が鉄筋の重さ1kg当たり80円前後。
加工費も、使う鉄筋の重さ当たりで計算することになっていて、1kg当たり用円前後です。
すなわち、鉄筋を施るのには1kg当たり即日程度の費用がかかるわけです。
鉄筋コンクリートでは、基本的に鉄筋の票多いと丈夫になりますが、鉄筋の坤⊥手間がかかるので、使った鉄筋の重さに比例して手間賃が増えます。
最近では、工場で組み立てずみの「ユニット鉄筋」というものもあるので、加工費を減らすには有効です。
また、鉄筋には決まった長さがあるので現場でつなぐことになるわけですが、住宅で使われる細い鉄筋では、太さと場所によって必要な長さを語ることでコンクリートのなかでつながったと考えます。
ユニット鉄筋でも基礎が曲がった部分や交差するところなどでは鉄筋どうしをつなぐ必要があります。
しかし、鉄筋をつなぐ作業は現場で行わなければならず、手抜き業者は手間がかかるからといってこの作業を省略してしまいます。
さらに、基礎に大きな切欠きなどがある場合は、「補強筋」といって切り欠いた分を補うだけの強さを出すために、余計に鉄筋を入れることが必要です。
この作業も、手抜き業者は面倒くさがって省略してしまいがちです。
コンクリートを流し込むとき、鉄筋がコンクリートの表面に近いと早く錆びたり、計算された強度も出ません。
そのため、型枠から適度な距離をもたせ、鉄筋を正しい位置に保つために、小さなブロックや、リングなどの形をした「スペーサー」というものを使います。
手抜き業者はこれも面倒くさがって、最小限で格好だけ入れるか、ひどいときにはまったく入れないこともあります。
ベタ基礎の場合、下の盤の鉄筋は、特に地盤が軟らかいときは注意が必要ですが、計算によって鉄筋の量を算定する必要があり、それによって使う鉄筋の径と間隔が決まります
しかし、きちんと計算されていないことも多く、鉄筋の間隔がスカスカになってしまっているものや、ひどいときには間隔の指示がない場合もあります。
こうした場合、手抜き業者は余計な手間はかけたくないので、「ないよりはまし」という程度に鉄筋を入れておくだけに留めてしまいます
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電気工事は最短コースをとろう
電灯線、電話線、テレビ配線など住宅の電気配線の量は非常に多くなりました。
その配線は人間の神経のように家中に張り巡らされています。
電気の配線は、ルートごとに建物の骨組みに沿って、まとめてきれいに配線し、金物で90cm以内に留めます。
床下や天井のなかは水平方向に、壁のなかは縦に配線していきます。
しかし、こうした見えないところに施工するため、きちんと施工されないことが多々あります。
部屋が正方形だとすると、本来は2辺を配線することになるのですが、目的地への最短ルート、すなわち直線的に配線してしまいます。
これだと、電線は3割は少なくてすみ、手間もかかりません。
そのうえ、電線も外れない程度に留めておくだけです。ひどいときにはビニルテープで留めていることもあります。
このように施工すると、床下や天井裏が放射状の配線で、見苦しいうえ、維持管理がしにくくなってしまいます。
電線の周りの絶縁の被覆はダイオキシンの元である塩化ビニルなので、電線を長く使うことは罪悪であり、その影響はわずかとはいわれていますが、配線が長くなると電圧の降下が大きくなって不利、というのが手抜き業者の言い分です。うまい言い逃れもあったものですね。
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アンカーボルトは刺さっていれば十分
基礎にコンクリートを流し込むときに、「アンカーボルト」という鉄のボルトを同時に理め込みます。
アンカーボルトは、建物の土台を基礎にしっかりと固定するためのボルトで、家の構造強度を確保するうえで非常に重要なものの一つといえます。
このアンカーボルトの位置に合わせて土台に穴を開けておき、上からナットで押さえて土台を固定するのです。
住宅金融公庫の仕様では、アンカーボルトは土台の端部や、土台に固定されている柱に引っ張り上げられる力が働く部分の近くなどに設置することが求められています。
また、アンカーボルトの間隔は2.7m以内とされています。
土台の継ぎ目にアンカーボルトが設置されてもよくないので、設計者はきちんと図面でボルトの位置を寸法で指示しておかなければなりません。
実際に設置する際も、コンクリートを打つ前に、ずれないように鉄筋に針金で縛り付けるか、溶接するなどしてアンカーボルトを固定しておくことが望ましいのです。
アンカーボルトの位置を固定するための治具を基礎の型上に固定して、あらかじめアンカーボルトと留め付けておく場合もあります。
そうしないと、コンクリートを流し込むときにアンカーボルトが曲がったり、ずれてしまったりして、土台を留める効果がなくなってしまうからです。
しかし、手抜き業者はそうした面倒なことはしたくありません。
コンクリートを先に打ってしまい、固まるまでの間に、まるで田植えのようにアンカーボルトを差し込んでいくのです。
しかも、位置は適当です。公庫仕様の2.7m以内には設置していきますが、ぼやぼやしているとすぐに固まってしまうので、土台の位置や柱の位置など細かいことにはおかまいなしです。
夏は特にコンクリートが固まるのが早いため、作業を行っているうちにアンカーボルトが入りにくくなることがあるのですが、無理矢理ねじ込んでしまいます。
アンカーボルトの位置が悪くても、あとは何とか大工さんがやってくれるから問題ないと、無責任このうえありません。
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廻り緑について
壁と天井の大隅には、見切り材(きれいに納めるための材料)として「廻り縁」という部材を取り付けます。その納め方にはいろいろな種類があります。
廻り縁は、見切り材であると同時に、材料の加工誤差や現場での取付け誤差などを吸収するための逃げの部材でもあるため、取り付けておくに越したことはありません。
しかし、手間やお金がかかることを避けたい施工業者は、廻り縁を省略してしまいがちです。
壁や天井仕上げがビニルクロス貼り全盛の昨今では、壁と天井のぶつかる大隅部分でビニルクロスを簡単にカッターで切れるので、廻り緑を取り付けなくても、意外ときれいに納めることができてしまうものです。
そういう納まりなんだと考えれば特に問題はないだろうし、むしろシンプルで現代的だろうと、施工業者は廻り緑を省略してしまうのです。
ただし、大隅部分で下地のボードどうしに隙間があるところなどをパテで埋め、平らに処理しておかないと、ビニルクロスの見栄えはきれいにはいきません。
いい加減な施工業者は、手直しもしづらいところで直そうとすれば手間がかかるため、そうした隙間を放っておくことがあります。
きっと、プロが気にするほど素人は気にしないからよいだろうと、建主のことを見下げているのでしょう。
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間柱のラクラク施工法
水平にある土台や梁や垂直に立つ柱の骨組みの上に「小屋組み」という屋根の下地をつくって瓦などの屋根材を葺いた後、壁をつくるための木を組みます。これを「壁下地」といいます。
壁下地には、「貰」といって、柱と柱を横につないで梯子のような形に組むものもありますが、柱に貫を通す穴をあらかじめ彫っておかなくてはいけないのと、某を固定するために、三角形をしていて打ち込むほどに締まる楔をつくる手間がかかります。
3cmもの厚みのある貫だと曲がりにくく、骨組みを建ててからでは入らなくなってしまいます。そのため、骨組みを建てながら入れなけれなばならず、これも時間と手間がかかるので、今ではあまり見られなくなりました。
最近は「間柱」という柱よりも細い木を、柱と平行に45cmくらいの間隔で建てることが多くなりました。
ていねいな仕事では、土台と梁に穴を彫り、間柱の上下にホゾをつくり出して穴にはめ込むようにして釘で留めます。
こうすると絶対にずれません。しかし、手間がかかるのを嫌がる施工業者は、もっと簡単な方法で留めてしまいます。
間柱の上下の土台とか梁には何の加工もせず、間柱を必要な長さにすぱっと切って、ただビスで留めるだけですませてしまいます。このとき、間柱が長いと突っ張ってたわんで曲がってしまうので、実際に必要な長さよりも少し短く切っています。上の木に届いていなくてもビスを伸ばして無理矢理固定してしまいます。
最近のプレカットでは、土台や梁などの上と下に間柱がはまるような放りが入っており、溝にはめ込むようになっています。
手刻みの荒い仕事よりはましなのですが、これだと溝の入った土台の長さ方向に外れないものの、横方向に外れてしまいます。
そんな場合も、手抜き業者は手間を惜み、ビス留めだけですませてしまいます。
木と木で組んで、用心に釘などの金物を使う仕事と、金物を使うことを前提に考えた仕事は、素人目には差が見えにくいかもしれませんが、実は決定的に違います。
木組み+金物の場合、きちんと施工し、維持管理もしっかり行えば家は100年もちます。
その一方、金物を前提に考えた仕事は、金物の寿命と同じ、すなわち20年ほどしかもたないといっても過言ではありません。
手間賃を惜しんで、安いことだけを望む仕事では、家の寿命は短くなってしまうのです。-----
EXTENDED BODY:
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床鳴りは生活のメロディ
風通しが悪い高温多湿の環境では、床をじゅうたん類にした場合、掃除などをこまめにしないとカビやダニの大量発生を引き起こしてしまいます。こうした問題から、最近の床はほとんどフローリングになってきました。
フローリングに関してよく開かれるのが、出来上がった家で歩くと音がするという「床鳴り」のクレームです。
床鳴りには3種類の状態があります。
一つ目は、床の下地組みのうち、「床束」と「大引」の問で起こるものです。床の下地に
乾燥していない材を使うと、床を支える「束」という短い柱が縮んで、少し浮いた状態になってしまいます。
そこに人が乗ると少し沈んでカタカタと音がするのです。
現場に濡れたような水分の多い木材が入ってくることが多々ありますが、施工業者は時間がないので、そうした材を十分乾燥させることなく使ってしまいます。そのため、後で材が乾燥して収縮し、音が出るようになってしまうのです。
最近では、ネジなどで高さの調整ができる樹脂製の床束が出てきました。木の束柱は短く切ることはできても足すことはできません。この床束を使えば、後で大引や「根太」などの床組みが収縮しても、その分を伸ばして補うことができるわけです。
床鳴りの二つ目は、根太が原因で音がする場合で、大引上の根太がこすれて音がすることもあります。
木の床は適度にたわむことで歩いたときの感じがよいのですが、根太が乾いていないと後でねじれたり、弱い根太でたわみが大きくなると音が出てしまいます。
根太を大引に留め付けるときに上から釘かビスを1本だけで留めてしまうと後で音がしやすいので、1カ所当たり2本の釘かビスで留め付けると音が出にくくなります。
しかし、手抜き業者は面倒くさがって、1本だけで留めてしまいがちです。
床鳴りの三つ目は、ムクの板を使ったときに多いのですが、床板自体がこすれて音がする場合です。
ムクの板では、板と板の継ぎ目は隙間が空かないように、木がかみ合うような「本実」という加工がしてあります。ここがこすれてギシギシ床鳴りを起こすことがあるのです。
これはその性質上、仕方のないものといえますが、この床鳴りを無理矢理抑えるために、床板が動かないよう、接着剤で固めてしまう大工さんがいます。昔は固まってしまう糊しかなく、ムクの木が縮んだり動こうとするのを無理に接着剤で留めているので、床材が割れることがよくありました。
最近では硬化しない接着剤が出ているので、それが使われるようになってきています。
この接着剤は、床鳴りの二つ目の原因である根太を固定するのにも使われているようです。
ただし、接着剤の成分が住まい手の健康に害を与える(いわゆる「シックハウス症候群」)可能性もあるので、あまりお勧めできません。
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親切な外部配管
外部の配管は、土のなかに埋め込みます。その際、標準の仕様では、塩化ビニルの排水管のつなぎ日は接着しなければなりません。土のなかの排水管は永久にもつわけではないので、取替えが生じることを考慮する必要があるのですが、取替えが不自由だからといって接着しない設備業者がいます。
これではつなぎ目から排水が漏れてしまいます。最近のベタ基礎の建物では、建物の内部の排水管は土のなかで、かつコンクリートの板の下にコンクリートを施工する前に据えておくことになります。
基礎をつくるために掘った地盤に配管を据えるのですが、コンクリートの板の下の土は、時間が経つと沈んで板の下に隙間ができていることが多々あります。
そうなると、配管もいっしょに下がってしまい、排水が自然に流れるような勾配が確保できなくなることがあります。
こうした個所で排水が漏れると、排水がコンクリートの下の土をどこかへ流してしまうこともあります。そうなるとますます配管がずれて排水が流れにくくなりかねませんので、きちんと接着をしてほしいものです。
万が一コンクリート下の土が下がっても、配管の勾配が確保できるように、吊りボルトを90cmごとに施工することがあります。これは、配管にバンドをかけてボルトを上向きに据えておくのです。コンクリートの配筋をするときに、鉄筋にこのボルトを固定しておけば、
コンクリートを打った後は、土のなかで鉄筋コンクリートから配管がつられている形になるので、勾配が確保できるということになります。
しかし、この方法は手間がかかって大変なため、設計者に指示されない限り、めったなことではやらないという施工業者も少なくありません。
仮に勾配が確保できなくても管のなかがいっぱいになれば、そのうちどこかに流れていくだろう、と無責任な施工業者もいます。
逆に、掘り返したままの土は後で必ず沈むので、外部の配管は埋め込む深さが浅いほうが、土を掘ったり移動したりする工事が少なくてすむ、と安易に考えている施工業者もいます。
本当なら、埋め込んだ管が動かないように、配管を据える地盤は十分に突き固めて転圧して、排水がうまく流れるように管で勾配をとらなければならないのですが、面倒なので適当に下の土を均して勾配を見て配管をしておくのです。
また、寒い地域では凍結深度に注意しなければなりません。排水管が凍った土にもち上げられてポロポロになってしまうことがあるからです。
手抜き業者は、めったなことではばれないからと、凍結深度よりも浅い位置に排水管を施工してしまうこともあります。
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塗装は一発仕上げ
塗装、いわゆるペンキ塗りは、材料の表面を風雨や紫外線、汚れから保護し、色彩豊かに仕上げるための」工事です。
塗り付ける面(これも下地といいます)が荒れていたり汚れていたりすると塗料の乗りが悪いため、事前に紙やすりをかけて凹凸を直したり、仕上げ塗料の染み込みを均質にする「シーラー」という下処理用の塗り材を塗ったりします。
しかし、手抜き業者は、手間を省くためにこの下処理を省略してしまいます。塗料によっては、塗った当初はその差が分かりにくいため、ごまかしてしまうのです。
また、ペンキは塗り重ねることでムラを少なくし、丈夫な膜がつくられるようにします。より多く材料に染み込ませることも必要とされますので、図面にも「2回塗り」「3回塗り」などと指示されています。
これは、刷毛で1回塗った後にそれが乾いてから塗り重ねるという意味です。
手抜き業者は、手間暇がかかることを嫌がります。したがって、この作業も省いてしまい、濃いネタ(塗料材料のことを現場ではこのように呼びます)を塗って一発で終わらせてしまいます。
最近は、外廻りに木を見せた住宅も多くなって、カラフルな防腐塗料を塗るようになってきました。
塗料は、ある現場で使った色がほかの現場で使われることは少ないものです。
外部に塗って余ったネタを、室内のドアやドア枠など木の見えるところにも同じ塗料で色付けしてしまうことがあります。
本来は、別の種類の塗料を使うべきなのですが、色が同じであれば、外部に使って余った防腐塗料を使い切るまで塗ってしまうのです。
防腐塗料のなかには、劇薬に近い防腐効果をもつものがあります。塗った当初は鼻を突くようなきつい臭いも伴います。
しかし、乾いてしまえば臭いは徐々に抜けていくから大丈夫と、手抜き業者は安易に考えているのです。もちろん、これは臭いだけの問題ではなく、住まい手の健康上からいってもよいはずがありません。
また、外部の木の塗装は、隈をつくらずに染み込んで、木の呼吸を妨げないほうが腐りにくくてよいと一般にいわれています。
最近では、膜をつくらずに防腐効果を高めた安全性の高い塗料もありますが、少し値が張ります。コストを下げるためには、水がかかったり雨ざらしになったりしない場所で使うなど、木を注意深く使い、塗装をしないという方法をとるのもよいでしょう。
ある現場でウッドデッキをつくり、そこに塗装する際にそうした塗料を使わず、膜をつくるタイプの安い塗料を塗ったら半年もしないうちに腐ってしまった、という話を開いたことがあります。
木が濡れて、染み込んだ雨水が表面の隈のためにすぐには抜けきれず、蒸れた状態が続いたことが原因のようです。
デッキ材に使っていた材料も、安くて腐りやすいベイツガであったうえに、防腐加工もしていないものだったようです。
予算がないからといって、いい加減なことをすると、取返しのつかないことになってしまいます。
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浄化槽の仕事
都市部や市街地などでは、下水道という設備が設けられています。便所やそのほかの排水を配管で大がかりな水処理施設に流して、汚れた水をまとめてきれいな水に処理をし、元の環境に還すわけです。
こうした下水道が整備がなされていない地域で住まいをつくることになると、便所を水洗にするには浄化槽が必要な場合があります。
浄化槽は便所排水の汚水を、微生物の力を借りて分解し、きれいな水にするための設備です。下水道のない地域ならどこでも設置できるわけではなく、浄化した水を流す先がないといけません。水を流す先がないときは、きれいにした水を、地面に染み込ませる浸透式や、浄化処理した大量の水を汲み取るタンクを設ける必要があります。
ただし、どちらもつくる費用がかかるので、浄化槽の設置が難しいときは便所は汲取り式にします。
汲取り式といっても、昔とは違い、少量の水で流し、汚水は直接見えないようになっているものもあります。いずれにしても、ハウスメーカーなどでは通常別途にしている排水設備にはそれなりの費用がかかる設備が多いので、追加注文で設備業者に仕事が入ってきます。
最初の本体の設備工事費の取決めでは厳しい金額をいう元請会社も、追加工事では少しは甘い金額でも発注してくれるので、設備業者にとってはおいしい仕事です。
以前は、汚水だけを処理する単独浄化槽でもよかったのですが、便所以外の風呂や台所などの雑排水のほうがむしろ汚染されていて環境への負荷が大きいことから、特殊な場合を除き、雨水以外の排水をすべてまとめて各戸で処理する「合併浄化槽」が法律で義務付けられました。
槽の大きさは家の大きさによって決まりますが、一般的な7人用の合併浄化槽では、高さ2m以内、幅l.5m、長さ2.5m前後の大きなものですから、土のなかに埋め込んでも施工が悪いと動いてしまうことがあります。
合併浄化槽は、単体の金額も百万円近い値段がするので、自治体によっては補助金を出しているところがあります。
役所の補助金をもらう場合には、工事の工程を写真で報告するので、浄化槽の載るところに丈夫な厚みの基礎のコンクリートを打って、そこから浮かび止めの金具を取り
付けます。
しかし、悪い業者はどうせ見えないのだからと、手を抜きます。ベースのコンクリートを打たなかったり、浮かび止めの金具を省略してしまうのです。
浮き上がりを止めるには周りに土を入れながら、槽のなかにも水を入れます。これは土の圧力で槽が押しっぶされないためにも必要なのですが、槽全体の重量も増します。これで浮き上がらないだろうと考えているようですが、水の量が十分でなければ簡単に浮き上がってしまいます。
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下地は少ないほうがよい
柱を見せない「大壁」の下地は、1.5cmほどの厚みの「胴緑」という小さな角材を横に渡し、間柱と柱のところに交点ごとに釘かビスで留めてつくります。その上に壁面となる石膏ボードなどを張るわけです。
ただ胴緑を柱に打ち付けるだけでは、部屋が壁の両側で胴緑の厚さの3cm分も狭まることになります。そのため、狭い部屋では胴緑を打っても狭くならないように、柱や間柱に欠込みを入れて柱と平らに下地をつくることもあります。
ただし、この仕事は手間がかかるため、今はほとんど見かけません。
また、樹の芯の部分を含むように製材した芯持ち柱では、材が乾燥したときに発生する狂いを抑えるために中心まで溝を入れた「背割り」があったりすると、木が乾くときに出てくる柱の変形がそのまま壁に影響してしまいます。
そのため、最近では、芯持ち柱でも背割りのない材も用意されています。たとえ木が乾いていても、柱や間柱は自然の木ですから、微妙に癖があって真っ直ぐではないため、胴緑を打つときに調整して平らになるように下地面をつくります。
手抜き業者は、胴緑を打ったり、そのために柱などに欠込みを入れる手間を惜しみ(彼らにいわせれば「合理化」とのことですが)、こうした仕事を嫌がります。軸組の家なのにツーバイフォー工法のようにして、胴縁を打たず、柱と間柱だけで石膏ボードを張ってしまいます。
柱は安い輸入木材か、芯持ちの1等材でも、手間をかけた背割りを入れていない大壁用の柱を使います。後で壁のなかで柱にひびが出ても見えないからです。
家の費用を抑える場合、材料と手間の両方を少なくすると大幅に安くすることができます。壁の下地でも、上等なものは縦横に下地が組まれて、材料が増えるごとに平らな面をつくるための調整も利くのですが、その分費用がかかります。それに比べて、間柱だけの壁下地なら胴嫁がなく、その分の材料費と取付けの手間がいらなくなるので安くすむというわけです。
しかし、これでは、胴嫁がない分スカスカになっているので、ちょっとの衝撃で壁に穴が開きやすくなります。天井などの下地も同じで、少ない材料でやればやるほど、取り付ける手間も減るということになります。
その分安くすむわけですが、反面、構造的な強度は低くなってしまいます。きちんとした大工さんなら、天井の下地で角材が交差しているところでは半分ずつ木を欠いて組むようにしているので、人がそこにぶら下がっても大丈夫なくらいの強度が確保されています。
最小限の材料で、交差部は釘留めだけなので、天井材をやっと支えられるくらいの強度しかなく、時間が経つと、天井が平らでなくなったり、落ちてしまったりするかもしれません。
安くするためには、何かを犠牲にしなければなりません。その犠牲にするものが、家の丈夫さだというなら、本末転倒ではないでしょうか。
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推奨工法「サイディング直張り」
外壁は、工期を短縮できて、施工会社の経費が少なくてすみ、クレームも少ないことから、水を使う左官工事の湿式工法に対して、水を用いない乾式工法が主流になってきました。
板張りも乾式工法ですが、コストや防火の観点から、燃えにくい金属板やセメントなどを板状にした「サイディング」を張って仕上げにすることが多くなってきています。
このサイディングは、製品のグレードによって値段の差が大きいため、施工業者にとってはうまみのある部分です。
木造の建物は、細かく見れば、いつも少し動いている状態なので、モルタルのような堅い材料を継目なしに施工すると、長い間に割れ目が入ることがあります。
それに対してサイディングは、元々ある大きさのものを張り上げるので、その継ぎ目に若干の動きに追従できるゆとりがあります。そのため、ひびの問題が生じないのです。
サイディングの継ぎ目には、小さな重ねがあり、シーリング材が付いています。
シーリング材の寿命は5年からせいぜい10年ぐらいですから、当座はよくても寿命が来たら雨が漏ることも考えられます。
何かの部分に支障が起きてもカバーする機能を考えておくことを一般に「フェイルセーフ」といいますが、建築でも重要な部分にはこうした考え方の下に施工を行います。
代表的なものでは、屋根瓦などの下に敷く防水シートが挙げられます。屋根材の防水が完璧ならばこのシートは必要ないはずですが、万が一に備えて施工するのです。
外壁も同様で、屋根ほど過酷な環境ではないにしても、現在の軒の出の少ない建物では雨が直接壁にかかることは大いにあり得ます。
壁から漏水すると、なかの木の骨組みの傷みにつながるので注意しなければなりません。したがって、壁仕上げの下にも防水の配慮をしたほうがよいのです。
壁には、水と風を遮り室内側の水蒸気は通すという、便利な「防風透湿シート」を施工するのがよいでしょう。
最近は、外壁の内側の湿気を排出するために、縦に空気が抜けるように18mから24mmくらいの厚みの「桟木」を打って空気層を設けることが増えています。
また、外張り断熱では、ある程度の防水性を備えた断熱材を用いたときは防風透湿シートはなくてもよいといわれていますが、それでも後で外壁の防水性が落ちると桟木が傷むことも考えられるので、防風透湿シートの施工は行ったほうがよいでしょう。
桟木を打つための大工手間は、ていねいな施工ならば10万円以上はかかりますが、手抜き業者は、その桟木を省略し、そればかりか、防風透湿シートも省いて直接サイディングを張り付けてしまいます。
これで少なく見積もっても20万円は浮かせることになるのです。後のことを考えると恐ろしいことです。
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飽不要の造作材
今の大工さんは刃物が使えないといわれることがあります。
というのも、木造の建物でも、本物の木を使っているものは少なく、木を削る機会も少なくなってきているからです。
骨組みはプレカット、たまにある和室も、柱は削る必要のない節のない薄い木を貼り付けたもので、ドアの枠やそのほかの造作材も、すでに仕上がっているものか、木のくずを糊で固めたうえに表面に化粧のシートを貼り付けてできているものを取り付けるだけというケースが増えてきています。
そのため、鈎を使う必要がありません。
最近は、ムク材の「緑甲板」のことを「単層フローリング」と呼んでいます。
昔は、フローリングといえばムク材に決まっていたので、このような言い方はありませんでした。木を貼り合わせた「複合フローリング」が当たり前のように普及してきたために、本家の緑甲板がわざわざ単層フローリングという妙な名前を付けられるようになったのです。
しかも、このムク材の緑甲板でさえ、今では仕上げられた状態で現場に入ってくることが多いので、大工さんが鈍を使う必要はないのです。
実は、こういうことになったのも理由があります。
大工さんが加工しなくとも出来上がっている仕上げ材や造作材では、和室の天井と長押が早くから普及していました。
天井は幅広の木目も凝ったものが求められたため、原料となる太くて節のない木が必要とされます。
こうした木はもともと貴重品だったのですが、早くから枯渇してしまいました。
そこで、銘木といわれる数少ない木を効率よく製品として利用するために、合板を下地にして、突き板を表面に貼り付けた天井材が出てくるようになったのです。
長押は、昔は柱をつなぐ構造材だったのですが、時代が下がって形骸化し、和室の格を表現する記号となりました。
格を表現する部材ですから、その見かけは節がなくて木目が真っ直ぐに通った柾目のものが求められました。
これも、原木の希少化によって同じような製品が出回り、当たり前のように普及しました。
以前は、よい糊がなくて、薄く削いだ木の表面に糊が染み出して汚くなることもあったようです。
今は糊もよくなり、ごく薄く削いだ木でも表面はきれいになっています。
もちろん、今でも天井材や長押をムク材でつくることはできます。
ただし、一部屋の材料費だけで数百万円という破格の金額を用意しないと、本格的な材が入手できなくなってしまいました。
貴重な木材を薄く削いで使うことで、手頃な金額で本格的な和室の雰囲気をつくることができるようになったわけです。
部屋の格をいうなら、そのような材料、悪くいえば「贋物」でよいのだろうかと思いますし、銘木にこだわらずによい空間をつくる別の方法があるような気がしないでもないですが、ここではそれは置いておくことにしましょう。
ともかく、これ以降、ありとあらゆるものが合板などに木を貼り付けた贋物になってきました。
最近では、本物の木を削いだものさえ上等で、木の模様の印刷をしたシートを貼ったものが普及しています。
大工さんは、そうした既製品の造作材をカタログで選んで使うようになってきています。
ムク材だと木を選び、木目や色合いなどを気にしながら、材料1本1本の使う向きなどにまで気を遣うことが必要でした。
既製品はそうした作業も必要なく、メーカーに品番を指定するだけで、出来上がったものを現場まで搬入してもらえます。現場では余分に延びている竪枠の長さを切り詰めて調節し、取り付けるだけですむ簡単施工です。
ドアも枠材とセット品なので、建付けをあまり気にする必要もなくなりました。
しかし、表面にシートを貼った、いわば見栄えだけの材料なので、後で削ったりすることができないものがほとんどです。
表面のシートがはがれてしまうことがよくあるのですが、シートがちょっとはがれている程度なら、まだ糊で付けられるので問題ありません。はげ落ちてしまうと補修のしょうがありません。
表面のシートと芯材はまったく異質な材料なので、紙ヤスリもかけられないのです。
それなら、自分たちで造作材を加工すればよいのではと思われるでしょうが、手間と時間がかかることはしたくないので、結局、メーカーの既製品を使ってしまいます。出来上がりの一時的な見栄えされよければそれでよいし、万が一、シートがはがれてきても、同じものをメーカーから取り寄せて取り替えればよいと考えているのです。
そうしたわけで、大工さんも本物の木を扱う機会が少なく、いってみれば、建築部品の取付け屋のような感じになってきているのです。刃物が使えないといわれてしまうのも仕方のないことなのかもしれません。
カテゴリー:手抜き工事の手口
接合部は組んであれば大丈夫
最近ではツーバイフォー工法などの外来の工法もありますが、木造の住まいといえば、角材の柱や梁を組み立てた「軸組工法」または「在来工法」といわれるつくり方が大半です。
日本ではこのつくり方には長い歴史があり、木の性質を読んで、木材の特性を生かした亡夫が重ねられ、いくつかの組み方があります。
市販の木材は4mなどの決まった長さなので、長い木材が必要なときは、材料をつなぎます。
この長さを増やすための加工を「継手」といい、「蟻継ぎ」「鎌継ぎ」「迫掛け大栓継ぎ」などの種類があります。
木を継いだときの丈夫さは、後のものほど強いのですが、加工も複雑になるために手間はよけいにかかります。
また、木材を直角などに組み合わせるための加工を「仕口」といいます。使う場所などによって、いくつかの種類があります。
垂直と水平な木材を組むには「ホゾ」という細い木をつくり出して差し込みます。
これも仕様によっていくつかの形状があり、性能もそれぞれ異なりますが、基本的な原理は同じです。
水平どうしの木材を組むときには、「蟻掛け」や「渡り腺」などの仕口があります。
蟻掛けは、材の加工が比較的容易で、材の上の面を同一に加工できるために、つくり手にとっても効率がよいので、最も多く用いられている組み方です。
ただし欠点もあり、仕口のための切欠きが大きくなるので、材をあらかじめ太めにしておくなどの配慮が必要です。
また、材を引き離す力に対しての抵抗力が小さいため、基盤に支えられている土台などではよいのですが、2階の床組(床の骨組み)などでは、仕口が引っ張られたときに外れないように「羽子板金物」などで緊結するのが必須です。
渡り聡は、底本的には材の上の面を揃えずに、木を組み上げるので、引っ張りに強く金物による補強は必要ありません。
この仕口は、木材どうしの切欠きも少なくてよいのですが、憤れないと加工に手間取ってしまうために、今様の機械加工に慣れてしまった大工さんには一般的ではないかもしれません。
今では、コンピュータ制御による機械加工が多数を占めています。
「プレカット」といわれるもので、骨組みを組み立てられる状態になるまで材木を工場で加上します。
プレカットでは、間取りと高さの情報をコンピュータに入力すると、機械が入力したデータに連動して木材を加工するようになっています。
データの入力に半日くらいの時間がかかりますが、注文を受けてから遅くとも2週間以内には骨組みが届けられることから、工期短縮の面でメリットがあります。
加工費も坪当たり1万円以下で、大工さんが加工するよりもずっと安価であるため、ローコスト住宅の現場では急速に普及してきています。
プレカットによる継手や仕口の加工形状は、先に述べた方法と同様ですが、加工機械の刃物の都合などで少し形状が異なります。
ホゾや継目などが短めにつくられていることが多く、引っ張られる力に弱いのが難点です。
また、若干丸みを帯びているために、組み合わせたときに回転してしまうこともあります。
そのため、金物による緊結が必須となります。
一方、大工さんが継手や仕口を加工するのを「手刻み」といいますが、すべて手で材木を加工するわけではありません。
現代のことですから、当然効率よく加工するために電動工具や機械を活用しています。
優秀な大工さんであれば、加工しながら、材料1本ずつの個性を読みとって、丈夫な骨組みを組むために心を砕いてくれます。
住宅金融公庫などの公的な融資を受ける建物では、手刻みとプレカット両方の加工も認められていますが、ヘタな大工が手刻みで加工するのであれば、プレカットを選択したほうがよいかもしれません。
以前、通りがかりの現場で、仕口の加工が大入れだけで、羽子板金物で国定していた床組を見ました。
ちょうど大工さんの声が聞こえてきて「このほうが、欠取りが少なくて材料を傷めないからいいんだ」といっていました。
いろんな言い訳があるものだと苦笑しましたが、あれでは建物に力がかかって少し変形しただけで仕口が外れてしまうでしょう。
こんなことならプレカットのほうがましだと感じた所以です。
カテゴリー:手抜き工事の手口
砂利は撒くだけでよい
建物の基礎をつくる際には、地表や地表に近いところの上質が割と不安定で軟弱なこともあるため、少し掘って、t質の安定した堅い地盤面に基礎を据えるのが原則です。
上を掘ってきれいに底をつくることができると、そのままで基礎コンクリートの型になるのでしょうが、機械でおおまかに掘るのでどうしても底が荒れてしまいます。
その状態でコンクリートを流し込むと、LLと混じってしまい、必要な強度が得られません。
そのため、基礎のコンクリートを打つときには、コンクリートを流し込む型として、地面と接する部分は砂利を撒いて突き囲めて、基礎からの荷重が適切に地盤に伝わるようにします(ただし、地盤のよいところで根切り底がきれいなら、必ずしもこうした作業が必要なわけではありません)。
このとき、きちんと突き固めないと、土を理め戻した後で、士の体積が収縮して地盤面が沈下してしまうことがあるので、十分に突き囲めることが必要です。
昔は、自然の丸い玉石やゴツゴツした「割栗一石」を縦に敷き並べて上から突き固め、玉石や割栗石の隙間を細かい砂利で粗めていました。
現在は、玉石の人手が難しいので、岩を砕いた砕石を使っています。
ところが、施工業者のなかには、砂利を撒いたままで、突き囲めずにコンクリートを流し込んでしまうところがあります。
砂利を撒いたままの状態では、石の隙間にコンクリートが流れ込むためにたくさんの最が必要となります。
コンクリート代がかさみそうですが、実はそれよりも砂利を突き固める手間賃のほうが高くかかります。
「ローコスト」を一貫するには、とにかく値段重視です。
材料費と手間賃を合わせたトータルな価格で見て、どうすれば儲けが一番出せるかを考えます。
そして、手間賃が高くつくと見るや、その手間賃を浮かすため、そのままコンクリートを流し込んでしまうのです。
「土で埋めれば見えなくなるのだから、ごまかしてしまえ」というふうに、いい加減に考えているのでしょう。
また、地盤の弱いところでは、砕石を撒いて突き固めると砕石がどんどん潜っていってしまい、いくら砕石があっても足りないような現場もあります。
こうした地盤では突き固めても無駄だとして、砕石を撒いてそのままにしてしまう手抜き業者もいます。
本来なら、こうした地盤はきちんと調査すれば、地盤改良などの補強工事が必要となるのでしょうが、手抜き業者は元請の工務店から頼まれた仕事だけを早くすませたいので、それ以外の仕事はしません。
仮に後からクレームが来たところで「地盤調査はわれわれの仕事ではないし、元請の工務店から頼まれたことはちゃんとやっているので何も問題はない」と知らんぶりです。
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手垢の付かない和室の天井
昨今は和風の住宅が減ったとはいえ、1軒に1部屋は和室がしつらえられています。
床は畳に、壁は東楽壁、天井は杉の柾目模様といった具合になります。
天井は直接さわることもなく、目を近づけて見る場所でもありません。天井板をムク材で張ることは今ではまれになり、通称「張り天」や「ラミ天」がほとんどです。
張り天は、秋田杉や吉野杉などの銘木を薄くスライスした突き板をベニヤの表面に貼ったものです。「杉柾練付けベニヤ」などと呼ばれています。
ムク板や張り天の場合、施工時に手の脂が付かないように手袋をはめて作業します。手の脂が付くと、後になってそこの部分に手の跡が浮き出てきますから、施工業者にとっては気を遣う材料ともいえます。
ラミ天は、正式には「ラミネート天井材」といい、合板や石膏ボードの表面に木目を印刷した紙を貼ったものです。
ムク板や張り天に比べて、手垢が付きにくいので取扱いが楽です。
ただし、何かの都合でセロテープなどを貼った場合、それをはがすときに印刷紙もはがれてしまうため、注意しないとあとの祭りで、補修のしょうもない状態になってしまいます。
ラミ天の表面には凹凸が加工されていて、一見、突き板と見紛うほどによくできています。よほど近づいて見ない限り分かりません。寝ころんで天井を見る程度なら、木目はまったく同じなので、分かる人にしか分からないでしょう。
悪い施工業者は、こうした材料の違いは建主にはよく分からないだろうと考えて、だいたい見積りのときには張り天の価格で入れておきます。
天井材の現場への搬入は工事の後半になりますから、それまでにいろいろ価格調整しなければならないことがあった場合には、ラミ天にすり替えてしまうことがよくあります。
8畳問で、張り天は3万円程度、ラミ天は1万円程度と、ラミ天のほうがはるかに安いからです。
余談ですが、建売住宅の場合には、ラミ天が標準仕様になっているようです。いわゆる和室のしつらえは、今やほとんどまがい物でつくられています。
そうまでして単に記号と化した和室をつくる必要があるのでしょうか。形だけの格式にとらわれなければ、自然の素材で畳のよさを生かした、心地よい新しい解釈の和室がいくらでも得られるのです。
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配線の穴開けは適当に
最近は柱を隠した大壁の住宅が多くなっています。大壁は壁が厚いので、施工業者にとっては配線工事がやりやすいといえます。
しかし、大壁でも胴縁のない壁の場合では、柱や間柱に直接穴を開けながら作業しなければなりません。配線のケーブルを通すために10?15mmの穴が必要となりますが、3.5寸(105mm)幅のところをドリルで穴開けするのは、手間は多少かかるものの、まだ簡単なほうです。
配線工事では、多かれ少なかれ柱や梁に穴開けはしますが、材の幅に比して配線の穴が小さい場合は構造的に問題はありません。
やっかいなのは、和室の多い住宅です。
柱が見える真壁ですから、壁が薄いのです。
真壁は、その中心に「貰」という板が45cm程度の間隔で柱と柱の問に横に取り付けられています。
これに穴の開いた左官下地用のラスボードを直接張って、衆楽壁などの左官仕上げをします。
こうした構造では貫とボードの問に隙間がありませんから、配線を縦に通すのが難しいのです。
厚い1寸(30m)貴の場合は、穴を開けたり、欠き込んだりして配線しやすいようにしています。
さらに薄い5分(15mmなどでもドリルで穴開けをすることがあるのですが、本当ならば、貫に穴を開けたり欠き込んだりせず、ラスボードに切込みを入れて縫うように配線するべきなのです。
しかし、手間がかかってしまうため、あまりやりたがりません。
梁などの構造材が見える場合も、施工業者にとってはやっかいです。見えなければ梁の横の隙間で配線しまうのですが、それができないので、梁に配線のための穴を開けなくてはなりません。
穴開け個所が多く、時には高さが30cm以上もある太い梁に縦に穴開けしなければならないこともあります。
ドリルを使うのでできないことはないのですが、手間ばかりかかって、安い貸金の割には面倒だと考えている業者も多いようです。
梁に穴を開ける際、ひどい施工業者では、梁をつないでいる継手のところに穴を開けていることもあります。
柱のそばを縦に配線しようとしていたのでしょうが、このようにしてしまうと、ちょっと力がかかっただけで継手が外れてしまいかねません。それでも知らんぶりで、放っておく施工業者もいますので注意が必要です。
カテゴリー:手抜き工事の手口
根切りはできるだけ浅く
基礎のために上を掘ることを「根切り」といいます。
建物の大元である基礎コンクリートを地面に固定するため、幅50cm前後、深さ30cm前後の連続した溝を掘ります。
そこに基礎をつくってから、元の地盤面もしくは設定した地盤の高さまで土を埋め戻すと、鹿礎が地面に埋め込まれ、固定されることになります。
根切りの深さや幅は設計図によって決まるわけですが、実際の仕事の手間に大きく関係するのは、前項で述べたGLの設定です。
現状の地堪面をGLにするか、現状の地盤面より高い位置をGLにするかによって、実際に掘るLの量はかなり違ってきます。
今は機械で土を掘るため、根切りが多少深くても施1二業者の手間はほとんど変わらず、費用の差もほとんど出ません。
間題は掘り目した土の処分です。
敷地が広いときには、敷地内に掘り出した土を積んでおくことができます。
基礎をつくってから埋め戻し、残った上は敷地内に敷き均せば、上の運搬がないので、その分の費用がかからず安くすみます。
一方、狭い敷地では、掘り目した土を一度、敷地外に全部運び出さなければなりません。
この費用が処分費も入れて5?6千円もかかります。
さらに、基礎を埋め戻す際、敷地外に運び出した土を使うほかに、山砂など良質の土を買って使うこともあります。
このような場合には、1m当たり同じくらいの費用がかかってしまいます。
すなわち、40坪くらいの家で1階の面積が24坪の場合、土を糾し入れするだけでlnU方円くらい余計な費用がかかることになります。
施工業者は、工事前の見積りでは、GLを基準に上を振る量を計算して値段を入れておきます。
設計者が高さを指示したときは、その指示どおりに掘らなければいけないのですが、施工業者が水盛り遣り方をやって基準の高さを決めてよいときには、なるべく運搬する土の量が少なくてすむように、あわよくば、土を運搬することなく根切りができるような高さに決めてしまうことがあります。
こうすると、掘る土の最も見積りで見込んでいた量よりも少なくてすみ、運搬する予定だった土の費用の分、儲かることになるので、施工業者はおいしい思いができるというわけです。
寒冷地では冬になると、その気候によって地面からある深さまで士が凍ることがあります。
地面から30cmといったように、地域ごとに冬に凍る深さを「凍結深度」といい、その土地ごとに調べることができます。
基礎の一番下がこの凍結深度よりも浅い位置につくられていると、地面が凍ったときに建物が基礎からもち上げられてしまうことがある(「凍上」といいます)のですが、手抜き業者は、掘る墓を抑えたいがために、この凍結深度さえも無視してしまいます。
カテゴリー:手抜き工事の手口
ジュラクの沙汰も金次第
家を建てたい人の8割は木造住宅にしたいと考えているそうです。
そして、日本の住宅が洋式化したといっても、一部屋ぐらいは和室がほしいという人もたくさんいます。
和室の壁は東楽壁ということにだいたい決まっています。
衆楽壁は、本来は京都市内の東楽第付近で取れた土を塗ったことからこのように呼ばれているのですが、今はそれらしく着色し、質感を似せた材料が主流です。
しかし、先にも述べたとおり、仕上げ工事はいつも時間に追われてしまうために、工程数の多い左官仕上げは敬遠されがちです。ひどいときには、衆楽壁調のビニルクロスですませてしまう場合があります。
実際、左官仕上げの衆楽壁では1?u当たり3千円以上かかるところ、ビニルクロスなら半分から1/3程度でできるので、床の間付きの8畳間で3?4万円程度は減らせることになります。
開いた話では、時間がないので衆楽壁調のビニルクロスで仕上げ、「最近はこれが定番だ」などと説明して建主を納得させた現場監督がいたようです。
そういえば、住宅展示場で見る和室はそうした仕上げが多いせいか、建主のほうもそういうものかと思ってしまっているのかもしれません。
カテゴリー:手抜き工事の手口
壁はつっかえ棒が入れば強くなる
軸組工法の骨組みは、それ自体では変形に抗う強度は不十分です。
伝統的な建物では、通し貴と土壁がその役目を担っていました。とはいえ、今でも不十分ですが、現代的な科学の目で検証されているわけではないので、経験則の城を出ていません。
どういった仕様かが問題ではありますが、きちんと施工した土壁の構造的な強さはとりあえず決まっているものの、現在も実験などで調査中なのです。
現在の法律では、建物が力を受けたときに変形しないような強い構造の壁(「耐力壁」といいます)を設ける必要があります。筋かいや構造用の合板などの画材で壁と骨組みが変形しないように固めるわけです。
ちなみに、昔の泥壁にも同様の効果があります。筋かいは、平たくいえば「つっかえ棒」です。
骨組みのなかに斜めに木材を入れるのですが、木造での筋かい自体は古くからあったものの、最近まで一般的ではありませんでした。
したがって、現場、特に大工さんにはなじみが薄く、理解が浅いのはやむを得ないかもしれません。
筋かいには厚みの薄いもの、厚いものなどがあり、いずれもきちんと固定されていることが前提となりますが、厚みの薄い筋かいは、一方の力にしか効果がありません。厚い筋かいも、骨組みのなかに入れ込んだだけでは一方の力にしか効果がなく、金物で固定することによって逆方向の力にも有効に働かせるようにしてあるので、厚い筋かいでは金物の取付けが必須です。
このことは、現場では十分に浸透していないことが多く、意図的であるかどうかは別にして、気楽に施工されていることが多いのです。
また、柱に引抜きの力がかかることも、現場の知識としては浸透していないことです。耐力壁があるところに引抜きがかかることは当然知られていましたが、具体的に示されたのが最近なので、「常識」として定着するには、まだこれからというところです。
筋かい自体は歴史が古く、私の記憶が正しければ、室町時代の法隆寺の修理で使われていたはずです。斜めに材料を入れると軸組を固める効果があることは分かっていても、当時のつくり手の美学に馴染まなかったのでしょう。筋かいが普及し始めたのは明治以降で、実際に普及したのは戦後になってからです。
以前の筋かいの入れ方の説明図を見比べると何度も変わってきています。これでは現場が混乱してしまうのも無理はありません。
カテゴリー:手抜き工事の手口
幅木は必ず後付けで
床と壁の境目に入れる材料を「幅木」といいます。
幅木は、床と壁の端部が接する部分(「取合い」といいます)をきれいに納める(建築用語で「見切る」といいます)ために取り付けるものです。
また、雑巾や掃除機などから壁面を保護する目的もあります。幅木の高さは意匠によって決まりますが、本来は、厚さ4cmほどのしっかりした木を加工し、床と幅木の問に隙間ができないよう、床に溝を彫り込んで幅木の一部をはめ込んで施工します。
ただ、この方法は、床板を張った後で壁際に真っ直ぐに溝を彫らないといけないため、とても手間がかかります。
ローコスト住宅では採用されることの少ない方法です。手間を軽減するために、最近では、同じく4cmくらいの厚みの木を加工して床板に溝を彫らずに上からビスで留め付ける方法がとられています。
このとき、幅木の下を平らにしてしまうと、幅木の部屋側の部分と床との問に隙間ができることがあるので、幅木の両側が床板にぴったり付くように中央部分を少し引っ込めて加工します。
幅木と壁の部分は、後で幅木が縮んでも壁と隙間が開かないように、幅木の上に「小穴」という溝を彫っておいて、あらかじめ壁材が少し幅木に入り込むように加工しておきます。
幅木を留め付けるビスはこの溝のところに入れれば、仕上がったときに外から見えません。また、これくらいの厚みのある幅木ならば、くねくね曲がらずに真っ直ぐに取り付きます。
しかし、こうした手間をも嫌ういい加減な施工業者は、床材と壁の下地の石膏ボードなどを張った後に、薄い木または木に似せた樹脂製などの既製の幅木を取り付けるだけですませます。
この場合は、材料が薄く、見えないところで釘やビスで留めるということができないので、接着剤を使って貼り付けるのです。
接着剤が固まるまでは、「フィニッシュ釘」という釘で固定しておきます。これは虫ピンのような太さの釘で、幅木などを押さえ付けた後で始末がしやすいようにビニルのチューブのようなものが付いています。
1日置いて接着剤が固まったら、ペンチでこの虫ピンの兄弟のような釘を引き抜くのです。そのため、幅木にピン跡の小さな穴が残ってしまうのですが、素人である建主が見てもどうせ分かりはしないだろうと、気にも留めません。
また、この手の幅木の精度は、壁が平らであるかどうかにかかっています。すなわち、壁が平らでないと壁なりに曲がって取り付くことになってしまいます。これも素人には分からないだろうと知らんぶりです。
こうした幅木ではちょっと引っかけたりしただけで壊れてしまいそうなのですが、「壊れたり、時間が経って汚くなったら、貼り付けてあるだけだから簡単に取り替えられてよいだろう」と、実にいい加減に手抜き業者は考えています。
カテゴリー:手抜き工事の手口
シーリング材ですべての隙間を埋め尽くせ
防水のために隙間をふさぐための材料に、「シーリング材」というものがあります。
先にも述べましたが、シーリング材は接着力があり、伸縮性のある合成樹脂です。施工後にある程度固まりますが、完全に硬くなることがなく、長い間弾力性を保っているのが特徴です。
材質はアクリル、ウレタン、シリコンなどがあります。値段の安いアクリル系のものは1m当たり500円程度で施工できます。
防水と耐久性が要求されるところにはシリコン系のシーリング材を用いますが、これでも1m当たり1千円前後で施工できます。
防水のためには、シーリング材を単純に隙間に詰めるのではなく、隙間の奥には接着しても動くことのできるスポンジのようなものをあらかじめ詰めておいてから、シーリング材を注入します。
そうすると、シーリング材が隙間の両面で接着しているため、表面で切れにくくなり、防水性能を維持できるのです。
単純に詰めた場合は、隙間の両面と奥の3カ所に接着していることになり、互いに引っ張り合うことになります。隙間の一方と奥が強いと、表面でシーリング材が切れてしまい、防水の用をなさなくなってしまいます。
奥に詰めるスポンジのようなものを「バックアップ材」や「ボンドブレーカー」などといい、これを詰めておくことがシーリングの基本なのですが、手抜き業者は省略してしまうのです。
シーリング材は比較的新しい材料で、ビルなどでは昔から使われていましたが、前述のようにいろいろな種類のものが出て便利なうえ、価格も下がったために、よくも悪くも、今の住まいづくりでは必須のものになってきています。
本来的な防水のための使い方以外にも、そのほかの隙間ふさぎにシーリング材は使われています。これほどいろいろな職種の職人によって施工されている材料はないでしょう。
外壁がサイディングの場合は、サイディング関連とサッシ廻りや外壁と屋根がぶつかる部分などをシーリングの専門職などが施工します。
気密を高める必要がある建物の場合は、断熱材などの隙間に大工さんがシーリング材を充填します。
板金屋さんは、水切りなどの加工部分に水が漏らないようにシーリング材をくっつけておきます。
電気屋さんも外部から線を通すときには開けた孔の隙間にシーリング材を詰めます。設備屋さんも同様に、配管を通すための孔の隙間や、衛生陶器の取付けの隙間や防水のためにシーリング材を多用します。
壁と天井の境に取り付ける「廻り縁」などではどうしても小さな隙間ができます。ここをシーリング材でふさぐと気にならなくなります。
壁と床の境に後で取り付ける「幅木」も同じことで、床と幅木、幅木と壁の隙間にシーリング材を充填します。これは内装屋さんの仕事です。
壁が仕上がってから取り付ける後付けの造付け家具の隙間もシーリング材で埋めます。これは家具屋さんの仕事です。そのほかの誰もやってくれない隙間を埋めるのは現場監督です。
しかし、シーリング材はその使い方や使う場所によっては、すぐにはがれてしまったり、シーリング材自体が早期に劣化してしまい、雨水などが入り込んだりして材料を腐らせてしまいます。
その結果、家の耐久性を著しく低下させることになってしまいます。
本当なら、手間をかけてシーリング材を最小限に、肝心要のところにだけきちんと施工するのが望ましいのですが、住まいづくりで最も費用のかかるところは手間賃です。
手抜き業者は、造作と内装工事などの費用を削って荒い施工ですませて、シーリング材でふさいだほうが全体の費用ははるかに安くてすむと、安易にシーリング材を使ってしまうのです。
先にも述べましたが、これほどに多くの職種に愛用(?)されている材料も珍しく、また、これほど本来の使い方を超えて使われる材料も珍しいと思います。
防水のためのシーリング材以外は、本物のきちんとした施工を行えば、シーリング材を使わずにすませられることがほとんどです。
あえて断言すれば、内装ではシーリング材を使わないほうがよいのです。
シーリング材の隙間ふさぎを期待して、仕事が荒くなってきているようです。
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ローコスト住宅に潜む危険性
今や、住まいを獲得するのは一生の大仕事のようにも見えます。
高い買い物ですから、慎重に検討して、後悔のないようにしたいものです。
大金をはたき、先行き不安なこのご時世でローンを舶むのですから、同じ費用なら少しでもよいものを、同じ什様なら少しでも安く住まいを手に入れたい、と願うのは誰しも同じです。
しかし、安くてよいものがなかなか存在しないのは、建築の牡界でも同じなのです。
相場よりも費用の安い住宅を「ローコスト住宅」と呼ぶことがあります。
とはいえ、ローコスト住宅は、ただ単に「安くして」「値引きしろ」といって、できるようなものではありません。
きちんとつくれば、ある程度の費用は当然かかってしまいます。
椰場よりも費用を安く抑えるには、どこかで費用の調整をとることになるわけで、そのために「手抜き」が行われることが往々にしてあるのです。
手抜きには大別すると、
(1)設計者が手を抜く、
(2)施工者が手を抜く、
(3)施工者・設計者の両方が手を抜く、
といった三つのパターンが見られます。
このうち、(1)の工事の手抜きをなくすのは、施工者である現場監督と、設計者の設計・監理のさじ加減一つです。
いい換えると、本業の設計で手を抜くような設計者が、きちんと現場に出向いて設計監理をして、よい住宅をつくれるはずがありません。
つまり、(1)が発生すれば、必然的に(2)につながり、逆に設計者がしっかりしていれば(2)は防げるので、やはり設計者に負うところが大きいといえるでしょう。
ましてや、票限の費用(つまりローコスト)で莞限の効果を得るには、相当の工夫が必要です。
住宅の設計に限らずとも、理屈は一緒です。
たとえば、読者の方でも、少しでも安い食材を写っために日常使っている店よりちょっと遠いところまで買い物に出かけたりした経験があるでしょう。
買い物だけならちょっと遠いだけでよいのですが、住宅の設計はそうもいきません。
買い物(材料の仕入れ価格)だけでなく、調理の仕方(材料や遠の使い方、施方法)も「夫しないと、安くできません。
設計者側の本音をいうと、「ローコスト住宅は面倒な作業が多い割には、設計料は安い」ので、やりたくない仕事の一つです。
予算があろうとなかろうと、建主なら誰だって安くてよいもののほうがよいに決まっています。
ローコストでなくても、予算のなかに納める努は設計者が常に求められている婁な作業なのですが、ローコスト住宅の場合はなおさら難しく、コストを下げる工夫を凝らしますが、それを面倒くさがる設計者がいるのも事実です。
開き直りというか、割り切りというか、「ローコストだしなあ」という考えで、設計の手間を省いてしまいます。
一方、施工者・職人も、請けた値段が安すぎれば、そのなかで儲けを出すために手抜きをしてしまうことがあります。
施工の手間を不適切に省いたり、材料を安いものにすり替えて差額をごまかしたり、その手口もいろいろです。
当サイトでは、そうした手抜き工事をはじめとした、ローコスト住宅に潜む危険性について触れています。
といっても、手抜き工事を摘発すること、あるいは逆に、設計者や施工者に手抜きのや
り方を指南することが目的ではありません。
建主となるあなた方がどういった点に注意すれば、限られた予算のなかで良質の住宅を得ることができるかについて論じたものであることを、初めにお断りしておきたいと思います。
カテゴリー:手抜き工事の手口
基礎のいろいろ
基礎と土台を混同している人がたまにいますが、基礎は建物を地面に固定するための部分をいいます。
土に埋め込むことになるため、石やコンクリートなどの腐らない材料を使います。
土台は基礎の上にボルトなどで固定して横に使う木の角材をいい、柱から上の骨組みを受けるために木の骨組みでは一番下の地面に近いところにあるものです。
現在の基礎は、鉄筋を組み、木や鉄板製の型枠を立てて、そこにコンクリートを流し込んで固める施工法がほとんどですが、大昔は、建物の柱の下それぞれに自然の丸い石(麓の右という意味で「礎石」といいます)などを地面に据えて家の骨組みを建てていました。
石の上に直接柱を建てることから、こうした建て方を「石端建て」と呼んでいます。
石端建ては、下の地盤の堅さが一様でないため、長い間には石の高さがバラバラになり、石に載った柱の下面の位置が不揃いになってしまいます。
上部の柱や梁などもゆがみが拍て、床が斜めになったり、建具の建付けや動きが悪くなったり、柱と壁で隙間が空いたりと、いろいろな不具合が出ていました。
古い民家の不具合は、ほとんどこの現象です。
こうした問題を解決すると同時に施工を簡単にするために、江戸時代以降、柱のFに土台という角材を敷いて木の骨組みを建てる方式が普及しました。
しかし、当時の土台は、磁石の上に土台を敷くので地面すれすれの位置に設置することになります。
また、木を横に使うので、右端建てよりも木材が腐りやすいという問題を背負い込んでしまいました。
土台方式が定着すると、建物が不揃いに沈むことを避け、かつ土台が腐りにくいように地面から少しでも高い位置に据えるために「布基礎」が考えられました。
「布」というのは「連続したもの」という意味で、コンクリートなどで連続した基礎をつくるようになったのです。
軽い平屋の基礎はI型で、2階など大きな重量がかかるところは⊥型にして、建物の重さに合わせて形を使い分けていました。
ただ、建築基準法などでもコンクリートに鉄筋を入れて補強することが義務付けられていなかった時代もあって、地盤の悪い場所では基礎が割れて、建物が不均一に沈んでゆがみ、昔と同じような問題が起こることもありました。
その後、法規も改止されて鉄筋を入れたコンクリートの布基礎をつくるようになり、構造的には丈夫になったのですが、床下が連続した基礎になることで縁の下がなくなり、床下の通気性を失うことになりました。
通気性が失われると、地面から立ち上る水蒸気や浸入した雨水などの水分が抜けず、上台などを腐らせてしまいます。
そこで、床下の通気を行うために、外周部の基礎には幅30cmX高さ15cm程度の換気孔用の切欠きを、内部の基礎には、床下の通気と維持管理のために床下を移動できるように幅60cmX高さ40cm程度の切欠きを何カ所かに設けるようになりました。
しかし、これではあちこち切欠きだらけです。
その分を鉄筋で補強しているとはいえ、まったく切欠きがない基礎と比べれば弱く、軟弱な地盤では基礎が割れてゆがむこともありました。
近年では、土の上に丈夫なコンクリートの盤をつくって、その上に木造の建物をつくる考え方の基礎が急速に普及しています。
建物全体の大きさの鉄筋コンクリートの盤をベタッとつくるので「ベタ基礎」といわれています。
ベタ基礎は、比較的軟弱な地盤でも、盤を丈夫につくれば基礎ごと斜めに沈むことが少ないというのが利点です。
また、床下全部にコンクリートがあるので、地面から立ち上る水蒸気を減らして床下を乾燥状態にしやすいこともあります。
縁の下のような通気性が望めない現在の基礎構造では、床下に湿気を入れないことも大切なことです。
基礎のコンクリート工事で費用がかかるのは、?@型枠、?A鉄筋、?Bコンクリート、の三つです。
少し前までは、この三つはほぼ同じ金額でしたが、最近では、型枠の工事費の多くは手間賃であるために費用の割合が大きくなっています。
少しくらい鉄筋とコンクリートが増えても型枠が少なければ費用はそれほど変わらないのです。
ベタ基礎は、布基礎よりもコンクリートと鉄筋の量が多い反面、型枠は外周部と内部の立上がりだけなので手間が少なく、総額ではほとんど同じ金額でできます。
そのため急速に普及しているようです。
ただし、軽い木造に比べて基礎のほうが重く、時には建物全体の重さのうち6割も基礎が占めることがあります。
地盤の強さとの関係もありますので、とにかくベタ基礎がよいということではありません。
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コンセントは自由自在
コンセントやスイッチを取り付ける場合は、配線を保護するための樹脂製の絶縁ボックスを取付け部分に固定してから配線し、表の化粧のプレートを留めます。
しかし、手抜き業者は、お金のかかるボックスなどは使わずに施工してしまいます。
最近はボックスを付けなくてもスイッチやコンセントを取り付けられる配線器具があり、建主の予算に合わせてこれを用いることもありますが、ボックスを使う本来の目的からいえば適切ではありません。
工事があらかた終わった後で、建主の要望などでコンセントを追加する必要が出た場合でも、線さえ通れば、こうしたいい加減な施工方法で安易に取り付けてしまいます。
コンセントは石膏ボードにはさんで留めてあるだけなので、引っ張ったりして力を加えると壊れることがあります。
コンセントの設置
コンセントやスイッチは、配線を保護するための樹脂製の絶縁ボックスを取付け部分に国定してから配線し、表の化粧のプレートを留め付けのが正しい施工法です。
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屋根の下地にコンパネを
以前は屋根の下地として、平らな面をつくるための「野地板」を、長さが1.8m、幅が15?18cmで厚さ15mm程度のスギ板などで張っていました。
かつて、1枚が大きく、製材した板よりも厚さが均一で精度もよく、値段も安いと、よいところだらけの製品が出ました。
ラワンなどの南洋材を薄くそいだベニヤを3層に接着剤で固めて畳1枚ほどの大きさの板にした合板です。
木目の方向を縦横に重ねるので、厚さの割に強く、狂いが小さいことも利点の一つです。この建材の耐水性能は、接着剤のそれで決まります。
おおむね耐水性能の高い接着剤は高価なので、耐水性の高い合板は値段も高くなります。1枚が大きいということは、同じ広さの屋根を張るにも手間が少なく、効率よく施工できるので、ひと頃は屋根下地の定番というほどに重宝されました。
屋根下地は、耐水性が要求される場所ですから、住宅金融公庫の基準でも「1類」と分類される耐水性の高い構造用合板を張る仕様になっています。
ところが、施工業者のなかには、儲けを増やすことを目的に、原料は同じラワンで、大きさがほぼ同じでも値段が半分という型枠用合板(通称「コンパネ」)を使うことがありました。
これは、コンクリートを打ち込むときの仮設の鋳型として使う合板ですから、一時的な使用を目的とした性能でつくられており、構造用合板に比ベると耐久性はありません。
ちょっと見たところでは区別が付かず、合板の表面にある材料の仕様を示す印刷を見ないと分かりません。
性能に関する意識が低いと、確信犯の悪徳業者でなくとも、単に安いからという理由だけで施工者はコンパネを使ってしまいます。
また、設計者のなかにも、設計図に野地板をコンパネで指示してしまう人もいます。
その後、南洋樹林保護の必要が認識され、マツなどの針葉樹を原料にした野地板用などの構造用合板が製造されるようになりました。
この材料は、表面はラワン合板よりもラフですが、値段もコンパネと同等のため、よく普及しています。
最近は、価格差がないため、野地板にコンパネを使うことはまずなくなってきたので少し安心です。
しかし、ホルムアルデヒドの放散という接着剤の問題は、少し改善されたとはいえ、相変わらずです。ほぼ安心な合板を求めようとすると輸入品がありますが、値段もさることながら、製品の寸法がインチを基準にしているので日本の建物と馴染みにくく、使うには下地の間隔を調整するなど少しの工夫が必要となります。
合板を留めるには空気圧を利用した自動釘打ち機を使うことが多いのですが、空気圧をきちんと調整しないと、釘を打ち込みすぎて合板の固定具合が弱くなってしまいます。
材料では儲けられないので手間を省こうと考えるのか、手抜き業者は空気圧の調整などせずにどんどん施工してしまうのです。
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少しの傷はつきもの
工事中の現場というのは、いろいろな工事関係者が一時期に出たり入ったりします。
特に完成も近づく仕上げ工事の頃になると、室内に持ち込まれる流し台やら造付け家具など大きなものの搬入もあります。
こうしたときに、気を付けないと、搬入されるものの角を壁やドア枠、和室の柱などにぶつけて、へこみやひっかき傷をつくってしまうことがあります。
傷を付けないよう、本来なら柱やドア枠などは薄い合板や樹脂のカバーをかけたりして養生しなければなりません。
そのため、見積りには養生費として5?10万円程度の金額を計上しておくのですが、手抜き業者はこのお金をごまかすために、いい加減に養生をしてしまったり、ひどいときにはまったく養生しない場合もあります。
床もフローリングを仕上げた後に、厚さ3mm程度の合板やボードを敷き、それが動いたり砂などが入ったりしないように隙間なく養生テープで固定しておけば、まず傷は付きません。
しかし、いい加減な業者は紙のシートを床に敷くだけですませてしまうことがあるのです。誤って、玄翁を落としたり、脚立の足が当たることもあるので、これではへこみ傷ができてしまいます。
施工そのものの手抜きも問題ですが、こうした気配りにも手を抜かれてしまうことが往々にしてありますので、注意したいものです。
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手間とお金を考えた、捨張りのケチり方
床に張るフローリングの下地には、荒床として15mのムク板か、12m程度の厚さの合板を張るのが今では一般的です。
このように、仕上げ材の下に張る合板などを「捨張り」といいます。
これは、フローリングのたわみを減らすために強度を補強したり、床面の歪みを減らすための強度の補強、床鳴り予防などの目的で張るものです。
安全を考えるとムク板がよいのですが、平面精度を出すのが難しいため、合板が使われることが多いようです。
しかし、捨張りは見えなくなりますから、これを削るのが一番お金を浮かせるのに都合がよいと手抜き業者は考えています。
削るといっても、まったくなくしてしまうと、かえってフローリング張りの施工がやりにくくなるので、厚さを12mから9mに変えてしまいます。
3皿ぐらいケチってみてもと思うでしょうが、1枚当たり200?300円ぐらいの違いとなり、総計では半日から1日分の日当にあたる額が浮くことになるのです。
2階の床の骨組みには、梁の交差部分に斜めに取り付けて床に歪みを生じないように補強する「火打ち梁」という部材があります。
最近は、住宅金融公庫の仕様書にある基準どおりに構造用合板を張れば、火打ち梁を省略してよいことになっています。むしろ、このほうが強い床となるといわれています。
このような場合に、構造用合板を省略してしまうとさすがに問題になりますので、悪い施工業者は、以前は野地板と同じようにコンパネを使って費用を浮かしていました。
厚さも12mあり、室内に張るのだから湿気で強度が落ちるという問題はないだろうと考えているのです。こうすることで、15坪もあれば3万円ぐらいは浮く計算になります。
しかし、先にも説明したとおり、コンパネでは長期の強度の保証はできません。
最近は、コンパネよりも安いという理由から、ラーチ合板という針葉樹の構造用合板を使ってはいるようですが、コンパネがまた安くなれば、そちらを使われてしまう危険性は否めません。
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断熱材は入れるだけ
グラスウールをはじめ、断熱材にはさまざまな種類があります。
近年ではエコロジーや省エネなどの意識の高まりもあって、品確法などの法律や住宅金融公庫の仕様書で断熱材の厚さの基準や施工方法が細かく規定されるようになってきました。
断熱材は隙間なく入れるようにしないと、どんなにそれ自体の断熱性がよくても、効果は下がるどころが、かえって悪くなってしまいます。
そうなると、壁のなかの熟の出入りによって、空気中の水蒸気が結露を起こして、壁のなかがビショビショになってしまうことがあります。
しかし、本来骨組みのなかに隙間なく施工するのは難しいうえに、壁のなかで見えないからといって、悪い施工業者は手を抜いていい加減に施工してしまいます。
グラスウールの場合、綿のようなグラスウールが詰められた袋を柱や間柱の問に詰め込んでいきます。
この袋には、室内の湿気が壁のなかや断熱材のなかに入り込まないようにするため、ビニルのような防湿層が入った面があります。
断熱材のマニュアルでは、これを室内側に向けて詰め込むことと指示しています。最近は「こちら側を室内に向けて施工してください」と袋の片側に書いてあるので間違われることは少なくなりましたが、以前はまったく向きに注意しないで、ただ詰め込むということが往々にしてありました。
また、グラスウールのような柔らかい断熱材は、詰め込んだだけではだれてしまうため、袋の端に付いている耳(留め代)をタツカー(ホッチキス針のような釘)で間柱に留めていきます。
防湿層が切れ目なく壁を覆うようにするため、本来なら耳を間柱に被せて打たなければならないのですが、手抜き業者はそのとおりにはしません。耳のところだけ凹んでしまうのですが、間柱の内側に留め付けているのです。
断熱材の幅は間柱の間隔に合うようにできているので、横方向には隙間は空きません。縦方向の長さが足りない場合は、突き付けて継ぎ足すようにします。
ただ、上下方向はどうしてもだれやすいので隙間ができやすく、本来ならそうした隙間ができないようにきちんと施工すべきなのですが、ある程度はだれるのはしょうがないと、悪い施工業者は手を抜いてしまいます。
筋かいのところも三角形に切って入れなければならないのですが、袋を切るとちくちくするガラス繊維が飛び出てくるため、多少つぶして入るなら筋かいを縫うようにして無理矢理入れてしまうこともあるのです。
もっとひどい場合には、段取りの関係で外側の外壁の工事に取りかかる前に断熱材を施工することもあります。
雨に降られるとグラスウールが雨を吸い込み、だれてしまうのですが、そのままにしておきます。工事中に乾くからと、取替えもしませんが、実はいつまでも乾きもしないのです。
断熱材施工の手抜き
断熱材は隙間が空かないように施工するのが鉄則。
しかし、昔から広く使われているグラスウールやロックウールなどでは完壁な施工はなかなか難しく、大変に手間がかかります。
本来なら断熱材の耳の部分を間掛こ被せてタッカーを打たなければならないのですが、いい加減な業者は間柱の内側に留め付けるだけですませてしまいます。
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水盛り遣り方は適当に
現場の工事に先立って、その土地の神様を祀って工事の安全などを祈願するために「地鎮祭」という祭典を行うことがあります。
地鎮祭は建主に現場を見てもらうよい機会です。
このときに、施工業者は敷地内に縄やビニル紐を張って建物の位置と大きさを表し、建上や設計者に見てもらって確認を得るようにします。
この作業を「地縄張り」といいます。
地縄張りでは、建物の直角などは「大矩」という大きな直角定規で決める程度なので厳密な精度は出ていませんが、あらかたの状況は把握できます。
狭い敷地や真四角ではない変形敷地などでは、設計図との微妙な誤差が配置上問題になることもあるので、しっかりと確認しておく必要があります。
建物の高さ制限があるときは、高さについても検討しておきます。
実際に基礎から建物をつくり出すと、通常はその後の移動・変更が難しくなるため、地縄張りはとても重要な作業なのです。
地縄張りの際には、「GL」(Ground Lineの略)という、建物の高さの基準になる地盤南を決定します。
このGLは、設計者が決めて施工業者に指示する場合と、施t業者白身が決定する場合とがあります。
平らに見えている敷地も意外に斜めになっていることもあるので、上手にGLを決めないと敷地の水はけが悪くなってしまいます。
かといってむやみにGLを高く設定すると、狭い敷地では玄関に行くのに不自然な階段が必要になったりします。
また、敷地が道路よりも高い場合には問題が起こることは少ないのですが、GLをいい加減に決めてしまうと、後になって、自然に排水が流れるための排水管の勾配がとりきれず、道路の側溝のなかにうまく接続できなくて困ることもあります。
現地の状況を確認し、いろいろな条件を考慮しながら総合的に判断しなければなりません。
しかし、施工業者のなかには、特に設計者からの指示がなく自分たちで決められる場合には、後で水はけが悪くなったりして困ることのない程度に、適当にGLを決めてしまうところがあります。
基礎をつくるためには地面を掘る必要があるのですが、掘る土の量と手間は比倒します。
そこで、掘る土の量を抑えて、手間賃がかからないようなGLに設定してしまうのです。
現地で基準になる高さを決め、墨を付けてマークしておくことを「水盛り」といいます。
本来は、建物の水平を決めるために実際に水を使っていたことが、その所以です。
ただし、現在は「レベル」という水平を測定する専用の機械があるので、実際に水を使うことはまれです。
水盛りを行って高さを決定したら、近くの電柱など、移動しないものに印を付けてその後の作業を進めていきます。
この印は、建物をつくる高さの重要な基準で「ベンチマーク」といいます。次に、高さや柱や壁の中心線など、建物の位置を正確に出すために杭を打ったり、その杭に薄い板(貰)を打ち付けます。こうした杭や貫などの仮設物を「遣り方」といいます。
また、水盛りと併せて、これら一連の作業を「水盛り遣り方」と呼ぶこともあります。
図面どおりに位置を出したつもりでも、変形敷地などでは境界がはっきりしなかったり、微妙に角度が違ったりするために間違いが起こることがあります。
屋根を葺くときになって敷地から屋根の軒がはみ出していることに気が付き、慌ててはみ出した部分を切るということもあります。
ひどいときには、確認が不十分のまま工事が進み、完成間際に建物が隣の敷地に入り込んでいたことが分かって、建物の間取りを無理やり変更し、建物の奥行を詰めて一部工事をやり直すなどということもあるのです。
地縄張りや水盛り遣り方の時点できちんと確認・検討しておけばよいのですが、細かく考えると作業が増えて手間もお金もかかるので、いい加減な業者は適当にやってしまいます。
そのためにこうした間違いが起こってしまうのです。
さすがに完成間際になって工事をやり直すというケースは、施工業者にとっても損害となるのでまれでしょうが、大なり小なり間違いを起こさないよう、卜分注意して地縄張りや水盛り遣り方を行ってほしいものです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
見えないところに金をかけるな
床下や壁のなか、天井のなか、小屋裏、造付け家具など、仕上がってしまうと隠れてしまう部分にはお金をかけないことが、コストを下げるための手っ取り早い方法です。
現場監督にしてみれば、まず見えるところをちゃんと見せられるようにしておくことが一番で、見えないところでいかにコストのバランスを取るかが腕の見せどころというわけです。
最近では、柱を隠してしまう「大壁」の家が多くなってきています。骨組みが見えなくなれば、材木は構造として保てばよいので、節ありの1等材が使われます。
ヒノキの柱を見せる場合には1本1万円以上もする節のない材を選ぶ必要がありますが、見せないですむのであれば1本3千500円のベイツガですませてしまいます。
ベイツガを使うこと自体はかまいませんが、問題は、見積りのときに高く見積もっておいて、その差額をごまかしてしまう場合があることです。
また、材料を鈍で仕上げることも少なくなってきており、これは大工手間の削減にもなります。
骨組みの木と木を組み合わせる継手や仕口が見えるとなると、それだけで大工さんも気を遣い、刻みにも手間がかかっていたからです。
見えなければそれほど手間をかけることもないので、その分の手間賃が抑えられてよいと思われるでしょうが、時には、刻み間違いが多少あっても材を取り替えずにすませてしまうことがあります。
仕上がって隠れるまで、隙間が空いてしまっている仕口などははさすがに人に見られたくない、と大工さんは思っているようですが、「じゃあ、ちゃんとやってよ」といえば手間賃の話になるので、現場監督もうやむやにしてしまいます。
もっとも、住宅規模の現場監督は数件をかけもちしていることが大半なので、そんな細かいところまでは見ていないでしょう。
今までに私が聞いたかけもちの現場数は、最大で12カ所!きちんと見ろというほうが無茶というものです。
最近はプレカットに頼むことも多いので、建前まで大工の手を煩わせることも少なくなりまし
た。プレカットならば1坪当たり1万円以下の加工賃ですから、手で刻む場合よりもローコストに抑えられます。
ただ、大工さんにいわせれば「俺だったら、こんなおっかない納めはしないよ」というような組み方をしている場合もあるので、安ければよいというものでもありません。
それでも手抜き業者は、見えるところではないから、納まりの多少のことは仕方ないだろう、と安易に考えています。それどころか、プレカットまかせで、納まりにはまったく関心がない業者もいます。
公庫仕様の住宅では、土台や桁などで、材の都合から短い長さの材を使うような場合であっても、土台では1m内外、それ以外の部分では2m内外程度の長さが必要とされています。
現場では、材料の効率を考えて、土台などでは一方から順番に敷いていくことを前提に墨付けします。うまくいく場合もあれば、公庫仕様にはあとちょっと材料が足りないということもあります。
ちょっと付け足す程度ですむような場合は、どうせ見えなくなるからと、間に合わせの材で継ぎ足して納めてしまいます。
モルタル塗りの外壁では、下地用の合板を大工さんに張ってもらいます。この場合、「サプロク版」といって、畳1枚の大きさのものをなるべくそのまま張るほうが、モルタルの割れも少なくてよいのです。
何度もいいますが、つくり手のコストダウンの主題は手間減らしです。住まいを精度よく長もちするようにつくろうとすると、部材とそれを取り付ける手間はどうしても増える傾向にあります。
住宅のコストを下げるために、手間を少なくする工夫をすることはよいことですが、耐久性も含めた性能を犠牲にしてしまう手間減らしは意味がないばかりか、マイナスです。
つくり手のモラルといってしまえばそれまでですが、見えないところは簡略化されがちなのです。
カテゴリー:手抜き工事の手口
見えない土台は何でもあり
現在では、柱の下に敷く土台は、アンカーボルトで基礎に留めてしまうため、簡単な加工ですませることが多くなっています。
古い民家でも江戸時代以降のものは、今のような土台が入ったものが多く建てられました。
ただし、今とは違って、柱間隔のおおむね1.8mごとに入れた礎石を下の地面を突き囲めて据えたものを基礎としていました。
礎石は地面から少しだけ顔を出すようにして設置され、この形になじむように削りつけた横使いの上台の上に柱を建てるのです。
それ以前は、礎石の上に建てる柱の下を1本ずつ右の高さに合わせて切っていたので、手間と時間が大変にかかっていました。
もっと上等な仕事では、自然の石の形に柱の下を削り付けていたので、上の骨組みが建てられるようになるまでには、さらに多くの時間を必要としていました。
しかし、土台の下を礎石に合わせて削る手間はかかるものの、それまでの骨組みの建て方と比べて、飛躍的に早く仕事ができるようになりました。
土台を水平に据えることが前提なので、柱の長さや柱以外の骨組みをあらかじめ加工ができるようになり、現場に行く前にできる仕事が増えて仕事がやりやすくなったのです。
あらかじめ工場などで組み立てることを「プレファブ」といいますが、現在の家のつくり方も、昔から見ればプレファブ化して進化したものといえます。
このやり方のメリットは、家を建ててからなるべく短い時間で屋根を茸けるという点です。
雨が多い日本の気候に合った工事手順を可能にしてくれたのです。
ただし、よいことばかりではありません。
木は組織の向きからいっても、生えていたように立てて使うと丈夫で腐りにくく長もちするのですが、
湿気の多い地面に近いところで木を櫨にして使うことは、横から押しつぶされる力には強くない木の性質から考えれば最良の使い方ではなく、
横にした木は腐りやすいという性質からも木の耐久性を損ねる恐れのある危ない使い方なのです。
しかも地面に近くて湿気の影響を受けやすいために、上台はさらに腐りやすい状態にあるのです。
古い民家などでも、腐ってスポンジのようになった上台をいくつも見たことがあります。
そうしたわけで、昔は石の上に土台を置いたので、上台どうしでがっちり組めるような仕事が常識でした。
家の土台は骨組みの肝心な部分ですから、きちっと親んだほうがよいのは今も同様のはずです。
しかし、手抜き業者はそうした面倒なことはしたくありません。
コンクリートの基礎にた土台を置いてボルトで囲定しておけばよいと考え、簡単にすませてしまうことが多いのです。
後で見えなくなるところは手を抜いてしまえというわけです。
近年増えてきているツーバイフォー(2×4)法の建物では、ただ切っただけの土台を置き、その上に「根太受け」という縦長の断面の木を置いて土台に釘留めするだけ、という手抜きも横行しています。
土台の継ぎ目と根太受けの継ぎ目は重ならないようにすればしっかり固定されるので大丈夫という考えから、このような施工をしているようですが、これではすぐに土台がずれてしまいかねません。
そして、土台がずれるということは、その上に載っている湯も傾くことにつながるのはいうまでもありません。
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