あまりに安い物件は権利問題やトラブルを疑ってみる
ここでは、どのような権利問題があるのか、また起こりがちなトラブルにはどんなことがあるのかをあげて、注意すべきポイントを整理しておきましょう。
権利関係は目にみえないからやっかい
物件が相場よりも安価である場合、そこに必ずしも権利関係に問題があるわけではありません。
しかし、やはり一見安いように思える物件には、なにかしらの問題がひそみがちです。
そして、権利にまつわる問題がからんでいることが多いのは事実です。
「劣化がひどい」「狭い」「間取りが悪い」などといったことは、物件をチェックすれば誰にでも一目瞭然。
ところが権利関係は物件をみただけではまったくわからず、書類をみても知識がないとついつい見過ごしてしまう始末の悪い問題なのです。
では、代表的な権利関係のトラブルを列挙してみましょう。
・所有者と売ろうとする人間が遣う
・所有者が複数いる
・所有権と借地権が混在している
・地目(土地の現況)が住宅地でない(農地など)
・物件に売り主以外の人が住んでいる
・物件に抵当権(根抵当権)がついている
・二重三重に他人の権利登記がある
・売り主のいう面積と登記面積が遣う
所有者と売り主が違う、などということは、あまり経験のない人には不思議に思えるでしょう。
しかし、相続がからんだりした場合に、こうした事例がよくみられます。
両者が異なっている理由がはっきりしていて、トラブルの種がひそんでいないなら問題ありません。
しかし、契約のあとで問題が発覚するケースがあるので、注意するに越したことはありません。
売りに出ている家に他人が住んでいる、これもよくあります。
立ち退きの約束がキチンとできていれば問題ありませんが、ありがちなのは、いざとなっても立ち退かないケース。
「買ったはいいけど住めない!」
というのでは目も当てられません。
もちろん、その土地になんらかの権利が登記されていることや、第三者が住んでいること自体が問題なのではありません。
問題のカギは、それをスムーズに白紙に戻せる状況にあるかどうかということ。
権利関係が複雑になればなるほど解消するのが難しく「面倒だから売ってしまえ」といったような無茶なケースや、
悪質なものでは、他人の物件であるにもかかわらず書類を偽造して勝手に売ろうとする詐欺行為さえあります。
こんな物件を掴んでしまうと一大事ですから、問題の種がわずかでもみえたら、徹底的なチェックが必要。
問題が複雑なようなら、不動産専門の調査会社または弁護士に依頼して調査してもらうのが賢明です。
あらゆることにひそむトラブル
権利関係以外のトラブルについては、ひと口ではいいきれないほど多岐にわたります。
たとえば、
「その物件が相続トラブルの渦中」「隣家と境界線争いをしている」
などといった、権利関係と隣り合わせのようなトラブルや、
「公共料金を長期間滞納している」
など買い主に火の粉がふりかかりそうなもの、あるいは
「現所有者が近隣といさかいの真っ最中」
という後々まで尾を引きかねないトラブル、などなど…。
まったく異質で、しかもいったんこじれると一筋縄では解決しそうにないトラブルは、あちこちに存在しています。
所有者でない人から買ってしまった!?
「買う前に登記簿を調べよ」この鉄則を守れば、住宅購入の第一関門はパスできる。
けれども、なかにはうかつにも奥約してしまったという場合も…。
そんなケースを紹介しよう。
A氏はC氏から土地・家屋を購入する契約をして代金の半額を支払った。
その後、登記簿を確認するとなんと所有者はC氏の兄であるB氏。
「いま売るつもりなんかない!」
とB氏は滞らず、大トラブルに発展。
そしてB氏は「市価の5割増しなら売ってやる」といい、
C氏は「売ってもよいといってたのに、兄さんそりゃ無茶だ」、
そしてA氏は「この契約はどうなるんだ!?」。
法的にこの契約は成立する。
ただし、C氏がB氏を説き伏せて、A氏に所有権を移転する義務を負う。
だが、このケースではC氏にそれができなかったため、A氏は契約を解除し、支払った金銭の返還と損害賠償をC氏に請求。
ところがC氏はお金を使い込んでしまったため、まだ全額は戻っていない…。
こういうトラブルも実際にあるから、念には念を入れることが肝心。
特殊な「私道負担」もある
「私道」は、道路としてのみ使用することを義務付けられた所有地。
これには、所有権以外に通行地役権(通行する権利)を与えられるものや、共有権をもたずに利用の負担金を支払って通行権を得る場合などもある。
業者に説明が義務付けられているが、特殊な権利関係であるため、後々トラブルになる可能性もある。
不明な点があれば、しっかりと聞いておくこと。
権利証がないときの売買は
土地・建物の権利証は再発行しない決まり。
移転登記はこの書類の涛付が必要なので、必ず売り主から受け取らなければならないが、売り主が紛失してしまったときはどうするか?
この場合は売り主に「保証書」を作成してもらうこと。
保証書は、管轄の登記所に登記の実績がある成人二人が証明を行なえば作成できる。
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