中古住宅は維持費がかかる?
中古と新築とを比べた場合、
購入後に、どうしても中古のほうが余分に維持費がかかる
これは否定できない事実です。
ひと口に中古といってもさまざまなので、単純に新築との差を比較するのは困難ですが、明確に差が出る要素はあげられます。
それを押さえておきましょう。
一戸建ては5年目から修繕が必要
普通の木質系の一戸建てでは、築後5年目ぐらいから次第に劣化が表面化します。
中古住宅では、雨漏り、水漏れ、明確な木部の腐朽といった欠陥はあらかじめ修繕してから売りに出しますが、自然な劣化については売り出し価格に織り込みずみです。
したがって、たとえば築5年の物件を購入すれば、まもなく雨どいの補修や、あちこちの再塗装が必要になってきます。
すなわち、新築住宅の修繕費が当面はほぼ0円なのに対して、中古は入居時にすでに築年が経っているために、その年数によっては購入直後からかなりの金額が必要になってしまう、ということになるわけです。
一戸建ての経年と劣化の進行
| 経数/部分 | 屋根・外装 | 開口部 | 水回り |
|---|---|---|---|
| 〜4年 | ・塗装に一部はがれ | ・手すり等の塗装に一部はがれ | ・パッキン水漏れ ・パテ剥離 |
| 5〜6年 | ・雨どいの一部破損 ・トタンや樹脂瓦の塗装にはがれ | ・戸袋等の塗装にはがれ | ・パイプ、ホース類が劣化 |
| 7〜8年 | ・トタン屋根こ錆か目立つ | ・網戸破損 | ・風呂釜が時おり不調に |
| 9〜10年 | ・雨どい破損 ・鉄製サイディング劣化 | ・外部木部の腐食進行 | ・換気設備が不調に ・風呂桶にきれつ発生 ・水回り木部床の腐食進行 |
| 11〜12年 | ・樹脂瓦の破損が目立つ ・雨水が軒天(軒先の天井板)に回り始める | ・木製雨戸が破損 ・ぬれ緑が寿命に | ・風呂釜が寿命に ・シャワー等の機器が寿命に |
中古マンションは修繕積立金が高い
いっぽう、中古マンションは新築よりも修繕積立金が高いのが一般的です。
「古くても新しくても、将来の修繕への積立金に違いはないはず」
と思うかもしれません。
しかし、新築を分譲する際に設定されている修繕積立金の金額は、あえて低めに抑えられていることが少なくないのです。
これは、当初の維持修繕費がさほどかからないことや、最初から積立金をあまり高く設定すると販売成績に影響するという売り手側の読みもあるためです。
鉄筋コンクリート造のマンションは、よほどの欠陥物件でないかぎり、躯体(構造部分)については5年やそこらでは修繕が必要になることはありません。
しかし、金属部分や樹脂を用いた部分、あるいは各部の仕上げ塗装などは一戸建てと同じように劣化が進むので、そのつど補修をしなければなりません。
当然ながら、それらの費用と長期修繕費用とを合わせた金銭を、あらかじめ積み立てておかなければならないということです。
最近は修繕積立金への理解が深まってきて、当初から余裕をもたせた高めの金額を設定するケースも増えました。
「修繕積立金があまりに安い物件は、あとが大変なのでやめたほうがいい」
というアドバイスも耳にします。
しかし全体的な傾向としては、5年ぐらいごとに金額を見直す方式が主流。
すなわち、「最初は少なく、見直し時に引き上げる」というシステムのため、
「中古を買うと、いきなり高い額を払うことになる」
ということが少なくないのです。
以上のことは中古住宅の宿命だといえます。
ただし、劣化の進行はこまめな点検や補修によって大幅に遅らせることができます。
日常的に補修を行なっているかどうかによって違いが如実に現れるので、物件をチェックをするときは、その点にもしっかり注目しましょう。
ところで、ランニングコストというと、冷暖房コストも気になるところです。
しかし、これは各住宅の個体差が大きく、新築と中古の差を一概に語ることはできません。
ただ、築年数を経た中古住宅ほど断熱施工が不備な物件が少なくないので、これも物件チェックをするときの重要ポイントとしてリストに含めておきましょう。
修繕費は公庫も築年数で評価している

住宅金融公庫の中古マンション融資(リ・ユース融資)では、管理が良好なマンションの基準のひとつとして、一戸当たり月額修繕積立金の額を次のように定めている。
・築5年未満……………6000円以上
・築5年以上10年未満…7000円以上
・築10年以上17年未満…9000円以上
・築17年以上……………1万円以上
やはり、築年数を経るにつれて修繕費が嵩むことを前提にして基準が定められており、ランニングコストは経過年数によって次第に増加すると考えるのが一般的だ。
マンションの修繕積立金の改定は、通常、区分所有者の2分の1の賛成を得て行なわれる。
長年にわたって改定されず低く抑えられている場合は、建物の維持管理に消極的なマンションとみることもできるので注意が必要だ。
補修の跡はあるほうがベター
一定の築年数を経過しているのに、まったく修繕の跡がないのは不自然。
鉄部や木部に再塗装の跡があり、錆や腐食がなく、機器の部品も交換跡があるほうがむしろベター。
補修や修繕の痕跡は、欠点ではなく美点と考えよう。
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